毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、イギリス人作家ジョン・ヴァーノン・ロードさんのロングセラー『ジャイアント・ジャム・サンド』です。原書の初版は1972年。日本では1976年に英文学者の安西徹雄さんの翻訳で出版されました。
むんむんと蒸し暑い夏のこと。ある村に400万匹ものハチの大群がやってきました。困った村人達は、ハチの一番好きなイチゴジャムをはさんだジャイアント・ジャム・サンドをつくってわなにすることに。村人総出の一大プロジェクトが始まります!
舞台は、山のすそ野の緑豊かな村です。表紙には穏やかな風景が広がっていますが、よく見ると右下にハチが1匹。タイトルページをめくると、そこからはもうハチ、ハチ、ハチ…。村中を「ブンブン ワンワン ウォンウォン」と飛び交うハチの大群と、逃げまどう村人達の様子がユーモラスに描かれています。
このハチの撃退法としてパン屋のおじさんが提案したのが、ジャイアント・ジャム・サンドをつくること。作者のジョン・ヴァーノン・ロードさんはパン屋の息子だったそうですから、物語のアイデアの発端はとてつもなく大きなジャムサンドを登場させる、というところにあったのかもしれません。
ジャムサンドづくりの工程はとにかくスケールが大きく、迫力満点です。ギネス級の大きな食パンを6人がかりでスライスしたり、トラクターとスコップでジャムを塗ったり、もう1枚のパンをヘリコプターで運んだりするシーンは、見ているだけでワクワクします。肝心のハチの撃退シーンは、ぜひ絵本を手に取ってお確かめください。
<ミーテ会員さんのお声>
最近の息子のお気に入りは『ジャイアント・ジャム・サンド』。ヘリコプターが飛んでいるページでトラクターを見つけるのが楽しいみたい。娘はジャイアント・パンが焼きあがるところでかならず食べるマネをします。同じ絵本でもそれぞれに楽しみ方があってとても興味深いです。(5歳5か月の男の子と2歳8か月の女の子のママ)
せっかくつくったおいしそうな巨大パン、ハチ退治のためにだけ使っておしまいじゃもったいない…と思いますよね。でもご安心を。村人がプロジェクト成功を祝って歌い踊るシーンの隅に、残りのパンが小さく切られて配布される様子が描かれています。
スケールの大きさもさることながら、村人達の服や靴、建物のレンガや木目の一つひとつまで細かく丁寧に描かれているのも、この絵本の魅力のひとつ。ハチに追いかけまわされる3人のおじさんがページをまたいで随所に登場するので、探してみると楽しいですよ。
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