毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、角野栄子さんの文、垂石真子さんの絵による絵本『ぼくびょうきじゃないよ』。1989年に月刊絵本「こどものとも」の一冊として発行され、1994年にハードカバーで出版された人気作です。
明日は、親戚のお兄ちゃんと釣りに行く日。ケンは、とても楽しみにしていたのですが、ごほんと咳が出てしまいます。お母さんが確認すると、熱もあって、胸もひゅーひゅー音を立てています。お母さんに言われて、すぐに布団に入ったのですが、どうしても釣りに行きたいケンは、「僕、病気じゃないのに」と怒り顔。そこに、白衣を着た大きなクマのお医者さんがやってきて…。
楽しみなことが控えている時に限って熱を出してしまう、ということ、子どもにはわりとよくあることですよね。「絶対病気じゃないんだから、明日釣りに行けるんだから」と自分に言い聞かせるようにつぶやくケンの気持ちがとてもよく伝わってきます。大きなクマのお医者さんは、そんなケンの切実な思いが引き寄せた幻想なのでしょう。
クマ先生は間違えてケンのところに来てしまったらしく、すぐに引き返そうとしますが、ケンは思いきって自分のことを診てほしいとお願いします。快く診察してくれたクマ先生は、ケンに特別な治療法を3つ伝授するのですが、それがどれも豪快でとってもユニーク。そして効き目も抜群なのです。読み聞かせの中で何より盛り上がるのは、やはりクマ式うがい。
「ゴロゴロ ガラガラ ガラッパチ。ガラゴロガラゴロ ゴロッパチ。クチュクチュ ペッペの クマッパチ」
これを3回続けるのです。このリズミカルでなんとも楽しいうがいの呪文は、おそらくたくさんのご家庭で、絵本を離れて実生活の中でも唱えられてきたのではないでしょうか。最後はクマ式ねんねで布団を温めてもらって、ぐっすり寝ます。おかげで翌朝にはすっかり元気に!
文章は少し長めに感じるかもしれませんが、病気の時の子どもの気持ちを的確にとらえたストーリーと、クマ先生の迫力のある描写、ユニークな治療法などが子ども心をつかむので、3歳前後から楽しめます。
<ミーテ会員さんのお声>
うがいするようになればと思って図書館で借りてきた本。昨日読んで、今日はクマ式のうがいしよっか!と話したら、いつもは嫌がるのにすんなりうがいを! 寝る前にももう一度読み、クマ先生が何度も来るのがうれしいのかニヤニヤしてた。(2歳9か月の女の子のママ)
風邪をひいた時におすすめの絵本は、他にも「風邪ひきさんには、こんな絵本」で紹介しています。普段からクマ式うがいで風邪を予防するのもお忘れなく!
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