毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、2006年に出版された、たしろちさとさんの絵本『くんくん、いいにおい―The Sense of Smell』。聴覚、味覚、触覚、嗅覚、視覚、感覚という6つの感覚を取り上げた「The Book of Sence」シリーズの1作目です。
焼きたてパンのいいにおい。果物のすっぱいにおいや、甘いにおい。うれしいにおい、気持ちいいにおい、ブランコした後の手のにおい。これはどんなにおいかな?
「くんくん、なんのにおい?」
1ページ目は、小さな男の子と犬がテーブルの下で鼻をくんくんさせて、においを感じ取っている場面で始まります。ページをめくると、テーブルの上にどっさりと置かれたおいしそうなパンの絵と「やきたての いいにおい」という簡潔な文章。もうそれだけで、焼きたてのパンのほんのり甘いにおいを思い出して、幸せな気分になれそうです。
他にも果物、ごはんとお味噌汁、ケーキと、序盤は食べ物が続きますが、においを発するのはもちろん食べ物だけではありません。いつも遊んでいるおもちゃのにおい、お風呂で体を洗っている時のにおい、海辺で感じる潮風のにおい、さらには、うんちやおならのにおいまで、ありとあらゆるにおいが絵を通じて紹介されています。
作者のたしろちさとさんはインタビューの中で、「犬になったつもりでつくってください」と編集者から言われたというエピソードを明かしてくださっています。そして実際に様々なにおいをくんくんと嗅ぎまわり、においを感じさせる絵をいくつも描いた上で、厳選したシーンを絵本にされたそうです。
最後はお父さんの背中にくっついて、お母さんの胸に顔をうずめて、それぞれのにおいを確認。幸せってこういうにおいかな、と感じられたらうれしいですね。
<ミーテ会員さんのお声>
本のデザインや絵がとても魅力的で、私がひとめぼれして購入したお気に入りの一冊。息子も大好きで、絵を一生懸命見て、「クレヨンがあるねえ」「ワンワンのうんち!」などと、気づいたことを口にします。
今日は、いちごのケーキのページに歓喜!「いちごのケーキ!!」と大きな声で指さしていました。実は昨日、生まれて初めていちごのショートケーキを食べたからです。世の中にこんなにおいしいものがあるのか、と感動したのかな。(1歳10か月の男の子のママ)
「The Book of Sence」シリーズの『きこえる? きこえるよ』も同じくたしろちさとさんの絵。こちらは文字が一切なく、絵から音を感じる絵本です。絵本をきっかけに、においや音の感覚を研ぎ澄ませてみましょう。
▼たしろちさとさんのインタビューはこちら
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