毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、内田麟太郎さんの文、山本孝さんの絵の『十二支のおはなし』。内田さんと山本さんのおふたりによる行事絵本シリーズの第1弾です。
ずっと昔の年の暮れのこと。神様が動物達を御殿に集めて、明日、新年のあいさつに来るようにと言われた。早い者から順に十二番まで、一年間ずつその年の大将にしてやろう、とのこと。ちゃっかりもののねずみは牛の背に乗って、門の前で一足お先にゴールイン。一番最初はねずみ年になった。二番目はその次に門をくぐった牛。さて、お次は誰かな…?
年賀状のイラストでおなじみの動物達。「ね、うし、とら、う…」と呪文のように唱えて覚えるのもいいですが、その由来を知れば、ぐっと親しみもわくことでしょう。
十二支のルーツは中国なので、絵本の舞台も中国風です。神様のもとに集まったのは、のろまだけれどしっかり者の牛に、ずる賢いねずみ、けんかっ早いいぬとさるなど、個性あふれる動物達。どの動物も、山本孝さんならではのこってりとした絵で、表情豊かに、そして迫力満点に描かれています。
この絵本で絵本作家としてデビューした山本孝さんは、インタビューの中で、作者の内田麟太郎さんについて、「絵を描く人に合わせて文章をプレゼントしてくださる方」「僕が生き生きと描けるような見せ場のある文章を書いてくれる」とおっしゃっています。山本さんのダイナミックな絵に合う、キャラクターが生き生きと躍動するストーリー…これぞ、内田麟太郎さんから山本孝さんへのプレゼントだったのでしょう。
「十二支がどうしてこのような順番になったのか」「猫はなぜ選ばれなかったのか」といった疑問も、このお話を読めば解決。毎年、お正月が来るたびに読みたくなる一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
「お父さんはねずみ、お母さんはドラゴン、私はいのししで、妹は牛!」。干支の話をするようになったので、折り紙で干支をつくって貼り付けて、オリジナルの十二支表をつくりました。今日は、この表と照らし合わせながら『十二支のおはなし』を読んであげると、楽しそうに聞いていました。(2歳7か月と4歳2か月の女の子のママ)
十二支にまつわるお話は他にも、『十二支のはじまり』というタイトルで、荒井良二さんの絵のものや二俣英五郎さんの絵のもの、さらには山口マオさんの絵のものなど、いくつも出版されています。話の筋は同じでも文章はそれぞれ違うので、語り口や絵を見比べてみるのも楽しいですよ。
▼内田麟太郎さんのインタビューはこちら
「詩の心でつづる 絵本の言葉」
▼山本孝さんのインタビューはこちら
「絵本の中に描く 子ども時代の遊びの風景」
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