イチ押し絵本情報

ぐりとぐらにクリスマスケーキをくれたのは…?(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.212)

2018年12月6日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 ぐりとぐらにクリスマスケーキをくれたのは…?

今回ご紹介する絵本は、中川李枝子さんと山脇百合子さん姉妹による『ぐりとぐらのおきゃくさま』。以前、ロングセラー&名作ピックアップでも紹介した『ぐりとぐら』に続くお話として、1966年に月刊誌「こどものとも」に掲載され、翌67年に出版されたロングセラーです。

雪の上にぐりとぐらが見つけた大きな足跡は、森の中の自分達の家の前まで続いていました。玄関には長靴、壁にはオーバーとえり巻き。さて、肝心のおきゃくさまはどこにいるのかしら?

見開き

いつものように森にいたぐりとぐらが、雪の上におかしな穴を見つけるところからお話は始まります。落とし穴? 足跡だ! キツネの? クマの? その足跡をつけていくと、そこはふたりの家! 家に入ると見知らぬ長靴に赤いオーバー。一体、誰のもの? 姿が見えない「おきゃくさま」の謎は深まるばかりです。

保育園の先生だった中川さんが、子ども達を楽しませようと生み出した「ぐりとぐら」のお話。謎があって、ヒントが出てきて、また謎が現れて、また少しずつヒントが明かされて…。子ども達がお話に夢中になって、口々に答えを言いたがる姿が目に浮かぶようです。

子ども達が目を輝かせる食べ物も、もちろん登場します。『ぐりとぐら』に登場したカステラが、クリスマスのデコレーションを施されたケーキにバージョンアップ。それをつくったのは…赤いオーバーに赤い帽子、赤いズボンをはいた、白髭のおじいさん(正体は絵本では書かれていませんが、たぶん…)。ぐりとぐらが一番大好きなものをプレゼントしてくれるのです。

おじいさんが焼いたケーキの匂いは、ぐりとぐらを喜ばせただけではなく、もちろん森の動物達のところまで届いていました。おじいさんは、ケーキだけではなく、友だちがたくさんのクリスマスパーティーまでプレゼントしてくれたかのようです。

クリスマスのワクワク感やプレゼントの驚き・うれしさ、ケーキの楽しみ、パーティーの愉快さ。子ども達が喜ぶ要素がぎっしりつまった贈り物のような一冊と言えるでしょう。

<ミーテ会員さんのお声>
最近、ミニカー遊びが楽しくてならない息子。「絵本読もうか」と誘うと嫌がるので、私ひとりで勝手に読むことにした。『ぐりとぐらのおきゃくさま』とタイトルを大きな声で言って、ミニカーで遊ぶ息子を横目に1回読んだ。 すると「もっかい」だって。聞いていたんだ。また読み出すと、最後の動物達がケーキを食べている場面で、ついに息子がこっちに来た。「ぞう、かめ」って知っている動物を指差しながら言い始めた。そして、もう1回はじめから一緒に読んだ。こういう駆け引き、楽しいなあ。(2歳5か月の男の子のママ)

このクリスマスパーティーには、中川さん、山脇(大村)さんのおふたりが手がけたほかの作品の登場人物がたくさん来ています。『いやいやえん』『そらいろのたね』に登場する赤いバケツを下げたクマや、赤いジャケットのオオカミ、『らいおんみどりの日ようび』のネコのトランペなど。絵本には描かれていないぐりとぐらの愉快で豊かな毎日を想像させますね。


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