毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、アメリカの作家レミー・シャーリップさんの絵本『よかったねネッドくん』です。原書は1964年にアメリカで出版された『FORTUNATELY』。日本では、児童文学作家で翻訳家の八木田宜子さんの訳で、1969年に出版されています。
びっくりパーティーに招待されたネッドくん。喜んだものの、パーティーは遠い遠いフロリダでやるとのこと。でも、運よく友だちが飛行機を貸してくれたので、ネッドくんはニューヨークからフロリダへと飛び立ちます。ところが、飛行機が途中で爆発してしまって…。はたして、ネッドくんは無事にパーティーに参加できるのでしょうか?
「よかった!」の見開きと「でも、たいへん!」の見開きが交互に展開するリズミカルな構成が特徴の絵本です。パラシュートのおかげで一命を取りとめたと思ったら、パラシュートには穴が空いていて、下に柔らかい干し草があってよかったと思いきや、干し草の山にはとがった草かきが刺さっていて…と、主人公のネッドくんの身の上に、幸運と不運が次々と降りかかります。
いいことが起きた時のページが鮮やかなカラーで描かれているのに対して、悪いことが起きた時のページはモノクロで描かれているので、視覚的にもその落差は歴然。当のネッドくんは、顔をしかめたり驚いたりはするものの、意外と平気そうな表情で、どんなアクシデントに見舞われても、持ち前の運のよさで軽々と乗り越えていきます。幸運、不運、幸運、不運…というテンポのいい展開は、大勢を相手にした読み聞かせなどでも大いに場を盛り上げてくれます。
ネッドくんの冒険はハチャメチャですが、大人が読むと「確かに人生って、いいこともあれば悪いこともあるよね」なんて、つい深読みしてしまいそうですね。
<ミーテ会員さんのお声>
昔、ジェットコースタードラマというのがありましたが、まさにそういう感じ。ネッドくんに次々と災難が襲いかかるのが面白くてたまりません。親子で大笑いでした。(3歳7か月の男の子のママ)
現在出版されているのは、日本文と英文が併記された改訂版。英文はどれも短く「Fortunately(幸運にも)」と「Unfortunately(不運にも)」のくり返しがとても心地よいので、慣れてきたらぜひ英文での読み聞かせにもチャレンジしてみてください。
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