イチ押し絵本情報

弱虫な男の子がたくましく成長していく姿(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.155)

2017年10月26日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 弱虫な男の子がたくましく成長していく姿

今回ご紹介するのは、ハンガリーの絵本作家マレーク・ベロニカさんの人気作『ラチとらいおん』です。原書の初版は1961年。日本では1965年に、福音館書店の世界傑作絵本シリーズの一冊として、徳永康元さんの訳で出版されました。

主人公のラチは、とっても弱虫な男の子。犬を見ると逃げ出し、暗い部屋には怖くて入ることができません。友だちからは仲間外れにされて、いつもひとりで泣いてばかりいました。ところがある朝、小さなライオンが目の前に現れ、ラチに強くなるための特訓をしてくれることになって…。

見開き

弱虫な男の子がライオンの助けを借りて、少しずつ弱さを克服し、たくましく成長していくというお話なのですが、微笑ましいのは、ライオンが全然強そうに見えないところ。「強くなるには、まず体操をするんだよ」と言ってお手本を見せてくれるのですが、その体操がなんともゆるくてかわいいのです。

その後ラチは、犬に怯える女の子を助けたり、真っ暗な部屋にクレヨンを取りに行ったり、自分より強そうな男の子に立ち向かったりできるようになるのですが、その様子を見ていると、どうやら彼が手に入れたのは肉体的なたくましさや強さというよりむしろ、心の強さ、勇気、自分への自信といったものだったのだとわかります。

物語の最後に待ち受けるのは、心の支えだったライオンとの別れ。ラチはちょっぴり涙を流しますが、友だちもできたのでもう心配はいりません。怖がりで臆病な子に勇気をくれる一冊です。

<ミーテ会員さんのお声>
前からママも読みたいと思っていた『ラチとらいおん』を読みました。犬や暗い部屋が怖いのは、わが家の子ども達も同じ。今、彼らにとっての“ライオン”は親なのかもしれないけれど、いつかふたりにも、それぞれの“ライオン”が現れて、強く育ってくれるといいなあ、と思いました。(3歳1か月と5歳4か月の男の子のママ)

半世紀以上前の絵本とは思えない、かわいらしい絵とセンスのいい色使いも、この絵本の大きな魅力。マレーク・ベロニカさんの絵本は他にも『ブルンミとアンニパンニ』のシリーズが風濤社から出版されています。こちらもとてもかわいいので、ぜひチェックしてみてくださいね。


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