イチ押し絵本情報

金色に煙る森でかくれんぼう遊び(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.154)

2017年10月19日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 金色に煙る森でかくれんぼう遊び

今回ご紹介する絵本は、末吉暁子さんと林明子さんの『もりのかくれんぼう』。1978年に出版され、40年近く多くの親子に愛され続けてきた、ファンタジーあふれるかくし絵の絵本です。

家に帰る途中、けいこは森に迷い込み、動物達とかくれんぼう遊びをすることになります。さぁ、森の中にかくれている動物を見つけることができるかな?

見開き

公園からの帰り道、かくれんぼう遊びをしたかったのにお兄ちゃんが遊んでくれなかった…。兄弟姉妹はもちろん、友だち関係でも、子どもなら誰もが経験したことがあることでしょう。そんないつもの情景が、子どもだけの近道を抜けると、一転「金色に煙ったような秋の森」に。一瞬で不思議な世界に連れて行かれます。

そこで出会う、もりのかくれんぼうは、木と葉の間に見えかくれするにやにや笑いの男の子。そして出会うや否や「森に入ってきた時からすぐそばにこっそりかくれていた」と言います。そうです。かくれんぼう遊びは、もう始まっていたのです。

かくし絵絵本で遊び慣れている子なら、ここで森が出てくる最初のページに戻るのではないでしょうか? 木や葉が複雑に茂る森から、いたずらっぽい顔を探し出そうとやっきになるはずです。この絵本の魅力は、主人公のけいこだけがかくれんぼう遊びをするのではなく、読者も一緒になって遊べるところだと言えるでしょう。

けいこと一緒にかくれた動物をさがしながら、秋の森を奥深くまで進みます。現実にはあり得ないほど見事に金色に色づいた森。林明子さんの手によって、サクサク落ち葉を踏む音が聞こえるようなリアル感をもって読者を包み込んできます。

最後に、けいこ達の町の団地ができる前は大きな森だったのだと知らされます。かくし絵だけでなく、物語性が豊かなところが、愛読され続けている秘密なのではないでしょうか? そして、きっとまたどこかでもりのかくれんぼうと会える、そう思い絵本を閉じると…。初めて見た時には気づかなかった、表紙や裏表紙の中のかくれた姿が見えるようになる、不思議な絵本です。

<ミーテ会員さんのお声>
短めの絵本ばかりを好んで読んでいた下の子が、最近、文章の長い、お姉さんの本を私のところへ持ってくるようになりました。『もりのかくれんぼう』や『ももいろのきりん』『すみれちゃんは一年生』が特にお気に入りみたいです。以前も少し読んだことはあったのですが、あまり面白くなさそうだったのに、わかるようになる年齢があるのだな、と思いました。

前の2冊は、私も子どもの頃、わくわくしながら母や幼稚園の先生に読んでもらった絵本です。子どもが私と同じ絵本を楽しめるなんて、本当にうれしい。そして、時々、上の子が下の子に絵本を読んであげている姿を見るようになりました。夫もいつの間にか、空いた時間に読み聞かせをするように。私の大好きな絵本を通して皆がつながっているようで、本当にうれしいです☆(3歳1か月と6歳5か月の女の子のママ)

動物もそうですが、もりのかくれんぼうは本当にかくれるのが上手です。再読してもすぐに場所がわからなくなってしまうので、何回も楽しめるのもうれしいですね。


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