毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、和歌山静子さんの『はしるの だいすき』。1998年に月刊絵本「こどものとも0.1.2」の一冊として刊行され、その後2003年に市販本化された作品です。
びゅんびゅん、ぱんかぱんか、ずんかずんか…元気よく大きな足音を立てて、動物達が続々と走ってきます。チーターにシマウマ、ライオン、キリン…さて、最後に走ってくるのは誰かな?
ページの右端には、半身だけ描かれた動物の姿。「だれかしら」と問いかけた後でページをめくると、その動物が目の前を駆け抜けます。赤ちゃん向けの絵本なので、文章は極めて短くシンプルですが、「ずんかずんか」「ごずんごずん」といった独特の擬音がユニークかつ迫力満点で、読み聞かせを盛り立ててくれます。
「自分らしい絵を追求するうちに、より太い線で力強く描くようになった」とおっしゃる作者の和歌山静子さん。「私の絵は、シンプルで直球勝負の赤ちゃん絵本と相性がぴったりなんです」とミーテのインタビューで語っておられます。
ページをめくる際によく見てみると、半身だけ先に登場したシマウマやライオン、キリンは、ページをまたいで、きっちりと同じ位置に残りの半身が描かれていることがわかります。クレヨンの素朴なタッチと力強い線、デフォルメされた動物達と、その絶妙な配置など、和歌山静子さんならではのデザインセンスが冴えわたる、シンプルながら味わい深い一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
『はしるのだいすき』は、わが家で唯一の新品の本です。新しい、自分だけの本というのは、やっぱりうれしいものです。お下がりや図書館の本とは違った愛着があります。
数え切れないくらい読み聞かせているにもかかわらず、娘は毎回、表紙を見ただけでニッコニコ。大人と違って、飽きたりしないんですね。この本は、絵の余白が効果的で、自然と目で絵を追っているのがよくわかります。娘が飽きるその日まで、読み続けます!(0歳7か月の女の子のママ)
体を揺らしながら読んで、一緒に走っているような気分を楽しむもよし、「次に走ってくるのは誰?」と、あてっこ遊びを楽しむもよし。丈夫なボードブックなので、子どもの「もう1回!」に何度でも応じられますよ。
▼和歌山静子さんのインタビューはこちら
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