イチ押し絵本情報

ご機嫌斜めの子をピッツァにしたら!?(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.137)

2017年6月22日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 ご機嫌斜めの子をピッツァにしたら!?

今回ご紹介する絵本は、ウィリアム・スタイグさんの『ピッツァぼうや』。2000年に日本に紹介された親子の楽しいふれあい遊びを描いた作品です。

雨のせいでご機嫌斜めの息子ピートを楽しませようと、「ピートでピッツァ(ピザ)をつくる」ことにしたお父さん。ピートをテーブルの上に乗せると、生地のようにこねはじめて…。

見開き

表紙には子どもの特大の笑顔! ページをめくると、一転、眉も口もへの字に垂れ下がったご機嫌ななめな顔。一体どうやって表紙の笑顔に!? 子育て中の方なら、のどから手が出るほど知りたい技。最高のアイデアがそのまま絵本になっています。

献辞に「ピッツァのモデル、末娘のマギーへ」とあり、実際にウィリアム・スタイグさんが父親として子どもにしてあげた遊びなんだろうと想像できます。ピッツァづくり遊びと、現実の親子の会話の混ざり具合が自然で、日常のひとコマを切り取ったかのようです。

子どもをピッツァにして、こねるのはテーブルの上、途中生地の空中飛ばしという大技も入れて、最後は切っちゃう! 信頼する大人から、少々荒っぽい遊び方をされるのが、子どもは大好きです。

途中、「油を少々(ほんとうは水なんだけどネ)」と種明かししながら話が進むのは、「読んでいるだけではなく、一緒にやってみよう」と誘っているように思えます。最初は戸惑い気味だったお母さんも乗ってきて、とうとうピッツァ・ピートは大笑い。読み聞かせを聞く子ども達も大笑い。不機嫌だったことなど吹き飛んでしまう、幸せが詰まった一冊です。

<ミーテ会員さんのお声>
最近、『ピッツァぼうや』が娘のお気に入り。もちろん読んでいる最中には、娘をこねたり、ひっぱったり、くすぐったりします。ケラケラ笑って何回も読んでとねだってきます。
そ・こ・で、今日のランチは家族でピザをつくりました。生地づくりはパパと娘、ソースと具は私の担当。お腹いっぱいで楽しい体験でした!(2歳4か月の女の子のママ)

スタイグさんに興味をもった方は、『みんなぼうしをかぶってた』がおすすめ。自分が子どもの頃のニューヨークの情景をさらっと描いた秀作です。


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