イチ押し絵本情報

歯の大切さ、日本中の子に伝え続ける名作(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.133)

2017年5月25日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 歯の大切さ、日本中の子に伝え続ける名作

今回ご紹介する絵本は、かこさとしさんの『はははのはなし』。1970年に月刊誌「かがくのとも」で発表されて以来、多くの親子に読まれ続けているミリオンセラー絵本です。

みんなが面白そうに笑っている中、虫歯のせいで泣いている子がひとり…。歯は栄養をとるためにとても大切です。では、なぜその大事な歯が虫歯になってしまうのでしょうか?

見開き

歯医者さんの待合室で、この絵本と出合ったという方も多いのでは? 実際に出版された部数より圧倒的に多くの日本中の親子の目に触れ、歯の役割や大切さを、わかりやすく、面白く伝えてきた絵本だと言えるでしょう。

ただ科学的に知識を伝えるだけではなく、「子ども達が何を求めているのか、何に喜ぶのか」という思いを元に、ユーモアをもって描かれているのが、かこさとしさんの作品の魅力。

まずページを開くと、「ははは はっはっはっはっは」という笑い声に、各々楽しそうに大笑いする子ども達の絵。さらに続く「ははは」の文字。読み聞かせすると、思わずつられて笑ってしまうはず。そんな中楽しくない子がひとり…理由は、虫歯です。子どもにとって想像しやすいデメリットから入って、次第に虫歯の怖さを伝えていく。だからこそ、子ども達の心に届くのでしょう。

かこさんが、当時手伝っていた子どもの会の子どもの歯を見た時、ひとり平均9本の虫歯があったとか。「なんたることか」と思って生まれたのがこの作品だそうです(月刊「MOE」2015年11月号)。子ども達が健やかに育つように…そんなかこさんのあたたかな思いを感じる名作です。

<ミーテ会員さんのお声>
歯医者が怖くてなかなか行けなかった上の息子が、とうとう自分から行くと言い出した! 『はははのはなし』を読んで、虫歯が怖くなったのが、一番のきっかけ。毎日歯みがきの時に歯医者さんの練習をして、がんばってきたよ~! 息子も誇らしげだったけど、私もうれしかった。(1歳3か月と5歳2か月の男の子のママ)

かこさんには虫歯の本だけで、ほかに『むしばミュータンスのぼうけん』や「かこさとし むしばのほん」シリーズなどがあります。お子さんに歯みがきの大切さを伝えたいと思った時には、読んでみてくださいね。

▼かこさとしさんのインタビューはこちら
「子ども達が賢く健やかに育つように」


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