毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、アメリカの作家エズラ・ジャック・キーツさんの『ゆきのひ』。1963年にアメリカの年間最優秀絵本賞であるコールデコット賞を受賞した作品です。日本では1969年に木島始さんの訳で出版されました。
夜じゅう降った雪が、一面を覆った冬の朝。マントを着て外に飛び出したピーターは、真っ白な雪の上に足跡をつけたり、木の上に積もった雪を棒でつついて落としたり、雪の山を滑り降りたりして存分に遊びます。夜、おひさまが雪をすべて溶かしてしまう夢を見ましたが、実際には翌日になっても雪は残っていました。ピーターは、今度は友だちと一緒に、深く積もった雪の中へ出かけていくのでした。
雪を目の前にした子どもの驚きと喜びを、切り絵や水彩、コラージュといった手法で美しく描いた名作です。特筆すべきはやはりその色調でしょう。冷たさ、静けさを感じさせる青みがかった雪、ピーターの全身を包む真っ赤なマント、空の青やカラフルな外壁の色…鮮やかな色彩が、ピーターの心躍る一日を生き生きと表現しています。
ピーターにとってこれが初めての雪だったかどうかは、じつはお話の中には明記されていません。でもピーターの新鮮な反応を見ていると、きっとそうなのだろうと思えてきます。子どもにとって初めての雪とは、こんな風に驚きと興奮と感動に満ちたものなのでしょう。
<ミーテ会員さんのお声>
深夜から雪が降り始め、朝起きたら周りのおうちの屋根が白くなるくらいまで積っていました。朝ごはんもそこそこに外に出ると、まだ誰も踏んでいない雪の上を娘とふたり、ざくざくざくざくと足跡をつけて遊びました。前日に『ゆきのひ』を読んだばかりだったので、娘も「『ゆきのひ』と一緒だぁ」と大喜びでした。(6歳6か月の女の子のママ)
ピーターは他にも『ピーターのいす』、『ピーターのくちぶえ』、『ピーターのてがみ』にも登場し、成長した姿を見せてくれています。あわせてお楽しみくださいね!
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