毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、スイスの作家ハンス・フィッシャーさんのベストセラー『こねこのぴっち』です。原書の出版は1948年。日本では1954年に「岩波の子どもの本」の一冊として出版されましたが、1987年には装丁を大幅に変えた大型絵本も登場。現在では両方が入手可能です。
主人公は、リゼットおばあさんの家に住む5匹の子猫のうち、一番小さい黒猫のぴっち。好奇心旺盛で、みんなと同じ遊びをしたくないぴっちは、他の動物と遊ぼうと出かけていきますが、アヒルを追いかけて池で泳ごうとしたところ、溺れてしまって…。
自分が本当にしたいことを求めて冒険へと繰り出す様は、さながら自分探しの旅。ないものねだりを繰り返し、怖い思いも経験して、最終的には元の場所に帰ってきます。無理がたたって体調を崩してしまったぴっちですが、リゼットおばあさんや仲間の動物達のあたたかい愛情に包まれるうちに、次第に元気を取り戻し、自分にとって一番の居場所を見つけるのでした。
流れるように繊細なペンのラインとあたたかい色彩で、愛くるしいぴっちが生き生きと描かれています。注目はやはり、お見舞いの行列のシーンと、ぴっちのために仲間達が催したお祝いの会のシーン。絵を見ているだけで、あふれる愛が伝わってきます。
<ミーテ会員さんのお声>
やさしさにあふれた心あたたまるストーリー。特にお見舞いのシーンは、心配して泣いている動物達の絵にじーんときました。動物達のぴっちを想う気持ちが、この絵にギュ―ッと詰まっているのです。今年一番グッとくる絵本でした。(7歳4か月の女の子のママ)
『こねこのぴっち』は、画家として活躍したハンス・フィッシャーさんが晩年、末娘のために描いた絵本とのこと。わが子への愛が詰まっているからこそ、こうして名作として長年愛される作品になったのでしょう。『たんじょうび』はその前作で、ぴっちもちらっと登場します。あわせてお楽しみくださいね!
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