毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、長谷川義史さんの『いいからいいから』。今年で出版10周年となる人気シリーズの第1作です。
ある日の夕方のこと。突然現れた雷の親子に、おじいちゃんは「いいから、いいから。せっかくきてくださったんじゃ。ゆっくりしてください」ともてなします。おへそを取りに来たはずの雷の親子も、ついついおじいちゃんの厚意に甘えて、夕飯をごちそうになったり、お風呂で背中を流してもらったり…。さて、雷の親子はおへそを取ることができるのでしょうか?
この絵本の何よりの魅力は、誰に対してもとにかく寛容なおじいちゃん。来る者は拒まず、去る者は追わずの精神で雷の親子を受け入れ、笑顔でもてなします。お風呂では背中だけでなく角まで磨くわ、着替えがないからと自分の新しいパンツを差し出すわと、おじいちゃんのサービス精神ときたら半端なく、雷のお父さんも思わずたじたじに…。
作者の長谷川義史さんは、「まぁええやん」ということばが好きだとか。インタビューの中で、「いろんなことにこだわるから、しんどくなっていくわけでしょう。『まぁええやん』って思っておけば、それ以上しんどくなれへんなと思って。(中略) そんな風に思ってたから、自然とあんな、肩の力抜けてるおじいさんのお話ができたんです」と語っておられます。
何に対しても「いいからいいから」などと言っていると、ともすると「そんないい加減な!」と思われそうですが、さすがは年の功、このおじいちゃんが言うとなんだか説得力があります。長い人生の中で様々な経験を積み重ねてきたからこそ言える、達観した一言だと思えるからでしょう。
<ミーテ会員さんのお声>
何かと力が入ってしまう育児の毎日。この絵本の題名を口にしただけで、肩の力が抜けるような気がします。そばにこんな人がいてくれたらいいのに。でも実際、「いいからいいから」って繰り返し言われたら、「よくない!」とか言っちゃいそうな自分がいます。育児って平常心が難しい! 子どもには大らかに育ってほしいなんて思っているのに、これじゃあ手本にもなりませんね(苦笑)(3歳5か月の男の子のママ)
ゆるさと笑いと癒しが絶妙に混じり合った、子どもも大人も楽しめるお話。2作目、3作目、4作目でも、いろんな人(“人”ではないかも!?)がおじいちゃんのところにやってきますよ♪
▼長谷川義史さんのインタビューはこちら
「絵本に自然とにじみでる、それまでの生き方」
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