イチ押し絵本情報

「おっぱい」は子どもにとって特別な存在(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.50)

2015年10月8日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 「おっぱい」は子どもにとって特別な存在

今回ご紹介するのは、みやにしたつやさんの『おっぱい』。1990年初版のロングセラーです。

ぞうさんだって、ぶたさんだって、みんなおっぱいを飲んで大きくなります。この前までおっぱいを飲んでいた僕も、もちろんお母さんのおっぱいが大好き。でも今は…。

見開き

表紙にまず、お母さんのおっぱいを飲む赤ちゃん。そして、ぞう、ねずみ、ごりら、ぶたのおっぱいと赤ちゃん…。画面いっぱいに描かれたおっぱいの大きさ、近さは、子どもにとってのおっぱいの存在感。人も動物も、等しくおっぱいを飲んで大きくなる…。そんな授乳という営みへのシンプルな驚きと、おっぱいと子どもの強い絆を感じる絵本です。

主人公の男の子は、弟がおっぱいを飲む姿に、やきもちを焼いています。ただ、今だけ、少しだけ「おとうとにかしてあげている」という言葉が選ばれることで、お兄ちゃんになりたての子どもの複雑な思いと、やさしさ、愛らしさを伝えます。

作者のみやにしさんは、ミーテの絵本作家インタビューで「子ども時代の(さまざまな)体験が、僕の絵本のヒントになってる」と語っていらっしゃいます。だからこそ、子どもの等身大の気持ちがまっすぐに描かれて感動を呼ぶのでしょう。

ほかに、よりお兄ちゃんの気持ちに寄り添った『おとうとのおっぱい』や、みやにしさんの子ども時代の弟との思い出から生まれた『まねしんぼう』などがあります。2人目、3人目が生まれた時に、併せて読んでみてはいかがでしょうか?

<ミーテ会員さんのお声>
2歳になる直前に、おっぱいに絆創膏をはって「ママのおっぱい、痛くなっちゃった」と伝えて卒乳しました。心配そうな顔をして一生懸命我慢してくれた、やさしい子。前から気になっていた本だけどつらくなるかな、と読ませていなかった『おっぱい』を図書館で借りてきました。

読んであげると、静かにじっと見ています。お母さんのおっぱいが大写しになっているページではそっと手を伸ばして本をなでなで。にっこりうれしそう。もう大丈夫。お兄ちゃんになったね☆(2歳4か月の男の子のママ)

おっぱいは、子どもにとってとても大きな存在。卒乳の時期、次の赤ちゃんが産まれた時、少し大きくなって「おっぱいが好き」と言うのが恥ずかしくなってきた頃に、そして授乳していた頃が懐かしく思えてきたママにおすすめの絵本です。

▼みやにしたつやさんのインタビューはこちら
「絵本は読み聞かせをして 初めて完成するんです」(該当部分は後編に掲載)


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