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教えて! 絵本作家さん(51) 絵本体験をより深めるには?(絵本子育て相談室 Vol.528)

2025年2月14日

絵本や読み聞かせにまつわる皆さんからのご質問に、ミーテ編集部の現役子育てママライターが週替わりでお答えします!
スージー(元・子供服メーカー勤務)
乗り物大好き、子鉄くんのママ。思い出の絵本は『がたごとがたごと』と『いろいろバス』。
アッコ(元・情報紙編集部勤務)
外遊び命、元気印の男の子のママ。ファーストブックは『くっついた』と『やさいさん』。

 教えて! 絵本作家さん(51) 絵本体験をより深めるには?

ミーテ会員の皆さんからの相談が多いテーマについて、絵本作家さんのインタビューから抜粋してお答えします。今回のテーマは、「絵本体験をより深めるには?」。14ひきのシリーズでおなじみの絵本作家いわむらかずおさんのインタビューをのぞいてみましょう。

 絵本を片手に、自然の中に出かけるのはいかが

読み聞かせは習慣になったので、次はもう少し絵本体験を深めてあげたいな。そんな風に思ったときには、どうすればいいのでしょうか。2024年12月に逝去された絵本作家のいわむらかずおさんはインタビューで、「絵本と自然を切り離すことがもう私の中ではできないくらい、私の中では密接なもの」とした上で、子どもたちに絵本を楽しむと同時に自然体験もしてほしいと語っています。

まずは、いわむらさんの作品をのぞいてみましょう。『14ひきのひっこし』には、いわむらさんが栃木・益子に移り住んだ際の経験とその地の自然が、『ふうと はなと うし』のシリーズは「いわむらかずお絵本の丘美術館」で見かけたウサギが主人公です。『はたけの絵本』には美術館の農場で観察した野菜と生き物が描かれています。いずれも小さな生き物たちの目線で自然が描かれていて、子どもたちが思わず手を伸ばしてしまうほど、リアルで豊か。こんな景色の中に身を置いてみたいと思わされます。

自然と絵本の相乗効果を期待するなら、身近な自然を扱った絵本を片手に外に出かけてみるのはいかがでしょう。『ざっそうの名前』は、庭や道端に生えた野の草花を刺繍で描いた絵本。リアルなので図鑑的にも使えますし、草花の美しさに改めて驚かされること請けあいです。『じっちょりんのあるくみち』は、謎の小さな生き物の視点で街を見た絵本。道路わきやコンクリートのすき間まで、あちこちに草花が息づいていることに気づかされます。

『はるなつあきふゆのたからさがし』は、5歳の女の子とママが、「宝探し」と称して町中の色とりどりの草や花、木を見つけます。絵が好きな子ならば、お話にならって自分たちの街の地図を作っても楽しそう。植物観察家の鈴木純さんの絵本『シロツメクサはともだち』は、草花を観察することの楽しさ・豊かさを教えてくれます。

公園の広場や自然が豊かな場所に出かける際は『くさはら どん』松岡達英さんの描く草花や生き生きとした虫たちを探して歩くのも楽しそう。雑木林まで足をのばせたら、『ぼくのコレクション』を片手に、今度は森の中で色とりどりの木の葉やどんぐりなどの宝探しもいいでしょう。

最後にご紹介するのは、いわむらかずおさんの「とっくんトラック」シリーズ。自然と触れあい、自然の中で遊ぶとっくんの姿は、きっといわむらさんの願う理想の子どもの姿。ちなみにシリーズ4冊は、4人のお孫さんそれぞれがモデルになっているそうですよ。

身近な自然についての絵本を片手に街に自然の中に出かけてみたら、絵本と自然の両方を楽しめて、より深い絵本体験、自然体験ができるかもしれませんね。

▼いわむらかずおさんのインタビューはこちら
「絵本の読み聞かせは、いつか子どもの原風景に」

(回答:ミーテ編集部・アッコ)


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