vol.54 やしろ優さんの推し絵本
思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回は、お笑いタレントのやしろ優さん。幼稚園教諭や保育士の資格を持ち、現在は一児の母として子育てに奮闘中です。やしろさんに思い出の一冊や、息子さんとの読み聞かせ、芸人ならではの“間”も大切にする楽しい絵本時間について伺いました。
私は子どもの頃から、かなり明るくてポジティブな子でした。幼稚園の入園式では、みんなに握手をしながら「お友だちになってください!」って回っていたくらい(笑)。小学生になると、学校ののど自慢大会に1年生から6年生まで毎年出ていました。
絵本も小さい頃から身近でした。母にはたくさん読み聞かせをしてもらいましたし、クリスマスには毎年必ず絵本をプレゼントしてもらっていたんです。だから、今でも覚えている絵本がたくさんあります。
中でも思い入れがあるのが『こりすのトトのおべんとう』。絵がすごくきれいで、母もきっと絵を気に入って選んでくれたんじゃないかな。実家から持ってきて、今は息子にも読んでいます。『わたしのワンピース』も大好きでした。幼稚園教諭の資格を取るために短大へ通っていた頃には、この絵本を題材にエプロンシアターを作ったこともあります。また、『ふゆのよるのおくりもの』は、大人になって母になってから、あらためて自分で買い直したほどです。
息子との読み聞かせは、『だるまさんが』のシリーズから始まりました。赤ちゃんの頃、すごく笑ってくれて、私もうれしくなって!動画もあるので、よかったら見てみてください。
また別のある日のこと。突然、りんごを「アポー」と言えるようになったときには、「りんごの絵本、何かないかな?」と探して『りんごがドスーン』を見つけました。動物もたくさん出てくるので、「これは何?」「この動物は?」と指差ししながら、一緒に楽しんでいました。
最近はひらがなも読めるようになって、息子が自分で読んでくれることもあります。選ぶ絵本も変わってきました。以前は大きな絵やかわいい絵の本が多かったけれど、今は『めっきらもっきら どおんどん』みたいな、ちょっと怖かったり、物語を考えながら楽しんだりする絵本にも興味をもつようになって。「こんなのも読みたいって言うようになったんだな」と、絵本を通して成長を感じます。
芸人の仕事と読み聞かせは、意外と似ているところもあります。声色を変えたり、強弱をつけたり、「これは何かな?」と問いかけたり。ネタをやるときも、まずは相手に注目してもらわないといけないので、どれだけ興味をもってもらえるかが勝負というところは同じですね。
最近は、読み聞かせでも“間”を大事にしています。息子はもう内容を覚えているので、先に言っちゃうことがあるんですよ。でも、「まだ言わない、まだ言わない。ここでママが言ってウケたら“よっしゃ!”だから」みたいに、「すぐ言うもんじゃないよ」って、読み聞かせしながら“間”まで教えています。
ただ、いつも楽しく読めばいいわけでもないんですよね。寝かしつけのときまでテンション高く読んでいたら、逆に子どもたちの目が覚めちゃって…。妹に「お姉ちゃん、それは寝かしつけの読み方じゃないよ」って怒られたこともあります(笑)。そこで、静かに淡々と読む方法もあるんだなと、母になってから気づきました。
読み聞かせって、「ちゃんと読まなきゃ」と気負わなくてもいいと思います。まずは親が自分の読みたい本、興味のある絵本を選んでもいい。何度も読んだ本なら、ちょっと省略したっていいんです。私が少し飛ばすと息子が、「ママ、ここ飛ばさないで」「こういう話だよ」って教えてくれることがあって、「こんなに覚えてるんだ!」と成長に気づけることもあります。
絵本は、親子だけじゃなく、人と人をつないでくれるものでもあると思います。先輩の芸人さんからお下がりの絵本をいただいたこともありますし、出産祝いにも私は絵本をすすめていました。自分では見つけられなかった一冊に出合えるのも、絵本の楽しいところ。あまりがんばりすぎず、親子で気楽に楽しんでほしいですね。
やしろ 優(やしろ ゆう)
神奈川県出身。ワタナベコメディスクールを経て、ものまねなどを得意とするお笑いタレントとして、バラエティ番組を中心に幅広く活躍。幼稚園教諭、保育士、ベビーシッターの資格を持ち、現在は一児の母。YouTubeチャンネル「ぽちゃHOME」「やしろ優の台所」では、子育てや日々の暮らしも発信している。