vol.28飯田圭織さんの推し絵本
思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回はモーニング娘。OGで歌手・タレント、11歳の男の子と6歳の女の子のママでもある飯田圭織さんにご登場いただきます。
子どもは今、5年生と1年生です。小学生になってからは回数も減りましたが、ふたりとも幼稚園までは毎晩読み聞かせをしていました。
読み聞かせは一日の時間のけじめをつける意味もあって、寝る前の習慣にしていました。ただ息子はとても体力のある子で、なかなか寝なかったんですよね。だから5、6冊読むこともザラでした。「これなあに?」と質問攻めしてきたり、自分が面白いと思ったシーンに戻ったり、絵本がなかなか進まないことも多かったです。でもそういう時間があったからこそ、本好きに育ったのかなと思っています。
わが家にとっての宝物の絵本は、『うまれてきてくれてありがとう』です。手元にあるのは3代目。小さいときからたくさん読んできたので、子どもが破ってしまったり、読みすぎてボロボロになっちゃったりしました。折に触れてこの絵本に支えられ、ともに成長してきたという思いが強いです。新米ママで何もかもが手探り状態の時期に、子どものために選んだ絵本に私も癒されたんですよね。
特に娘は、「私のこと大好き?」「ママは私がいてくれてうれしい?」と言ってこの絵本を持ってきてましたね。このお話が記憶の中にあって、子どもの自己肯定感を高めて、支えてくれているのかなとずっと感じています。それでお友だちが出産する時にもよくプレゼントしています。
子育てって毎日いいことばかりじゃないじゃないですか。今朝もふたりとも準備が遅くて、怒って家を出発させてしまったんですよね。でも今またこの絵本を開いて、「生まれてきてくれたことに、感謝」と思いを新たにしています。そんな原点を思い出させてくれる、私にとっても子どもたちにとっても宝物の一冊です。
息子が大きくなってから読んだのは『ふたりはともだち』です。がまくんがちょっと偏屈なカエルで、春が来たのにまだ寝ていたいとか言うんですよ。でも理由は書いていない。派手さはないけれど、子どもが想像を膨らませる余地があるいい絵本だなぁと思いました。
息子はあまり作文が得意ではなくて、「お手伝いをしてほめられました」みたいないいことを書かなきゃいけないと思っているところがあったんです。それで何かアドバイスをしてあげたいなと思った時に、ふとこの絵本を思い出しました。「この絵本には失敗とか、なんだか嫌だなぁという気持ちも書かれているけれど、いいお話だよね。それでいいんじゃない?」と話しました。私はよく絵本を例え話にして子どもに話すのですが、こういう会話ができるのも、小さい頃から一緒にたくさんの絵本を読んできたからかなと思っています。
下の娘が小学生になったので断捨離をしていたら、「クーとマーのおぼえるえほん」が出てきました。日々の常識を覚えてくれればいいなぁと思って選びましたが、クーがジュースをこぼしたとか、お尻が出てるとか、そういうドジなところを子どもたちがすごく好きで、ずいぶん長くお世話になったシリーズです。
「ママ、これ読もう!」と言って何冊も抱えてきたり、絵本に出てくるホットドッグを食べてみたいと言ったり、かわいかったなぁ~! 表紙を見ただけでも子どもが小さかった頃のことがよみがえってきて、もう読まないとわかってはいますが、手放せないもののひとつですね。
読み聞かせは、今考えるととっても大事な時間でした。毎晩読んで「これ面白いね」と言い合った時間は、本当に宝物だなと感じます。子どもはもちろん親も学ぶことも多いので、読み聞かせはぜひ続けていっていただきたいなと思います。
また、最近本屋さんが少なくなっていることもあって、電子書籍という選択肢も出てきています。資源を大事にする、また手軽さという観点ではいいと思うのですが、でも形として残しておくことの良さもありますよね。昔よく読んだ絵本は本当に宝物になるので、お子さんが気に入ったものは実際の書店で買って、手元に残しておくのもおすすめです。
インタビューの中でご紹介した絵本『うまれてきてくれてありがとう』をミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
飯田 圭織(いいだ かおり)
1981年、北海道生まれ。TV番組「ASAYAN」のオーディション企画でモーニング娘。を結成し、「モーニングコーヒー」でメジャーデビュー。2代目リーダーを務めた。2005年グループ卒業後ソロに転身し歌手、タレントとして活動。現在は、タレントとして音楽活動含めバラエティや舞台など、様々なジャンルで活動している。二児の母。