みんなの推し絵本!

vol.22 いりやまさとしさんの推し絵本

vol.22 いりやまさとしさんの推し絵本

いりやまさとしさんの写真

vol.22 いりやまさとしさんの推し絵本

思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回は、2023年に誕生20周年を迎えた人気作「ぴよちゃんえほん」シリーズでおなじみの絵本作家いりやまさとしさんにご登場いただきます。

スキャリーおじさんの絵本を模写した子ども時代

子ども時代に一番影響を受けた絵本は、アメリカの作家リチャード・スキャリーの「スキャリーおじさん」シリーズです。英語の勉強になるからだと思うんですけど、学校に原書があったんですね。家の中や街の中にある身近なものの名前を、絵本の世界観の中で覚えられるような絵本なんですが、絵が細かくて、ユーモアがあって、とにかく眺めていて楽しくて。こんな絵が描けたらいいなと思って、小学校高学年の頃にはよく模写していました。

実は『ぴよちゃんのおはなしずかん おてがみきたよ』は、スキャリーの絵本が好きすぎて、自分でもこんな絵本をつくりたいと思って手がけた絵本なんですよ。

マンロー・リーフの『おっとあぶない』も、子どもの頃に読んで強烈に印象に残っている一冊です。お風呂で滑ってけがをしたり、熱いものに触ってやけどしたりと、子どもがやりそうな危ないことを皮肉たっぷりに紹介する絵本で、ものすごくシンプルな絵なんだけれど、今でも忘れられないほどのインパクトがありました。大人になっても覚えている絵本って、意外とこういう絵本なんじゃないかなと思いますね。

最近の絵本だと、シドニー・スミスの『このまちのどこかに』が好きです。自分の絵のタッチとは全然違うけれど、この人の絵にすごく惹かれて、絵本を集めてるんですよ。彼が文章も手がけたこの絵本は、あらすじを話すとネタバレしてしまうので、あまり多くを語れないんですが、最後まで読むとじーんと感動します。ぜひ読んでみてください。

人気シリーズ誕生エピソード

「ぴよちゃんえほん」は2023年で20周年を迎えました。1作目が出版された時に1歳の誕生日を迎えた長男は、もう21歳になります。

もともとは、ひよこが迷子になって、めんどりのお母さんが探すというシンプルなお話で、絵ももっと素朴だったんですが、編集者さんから「たくさんの人に愛されるキャラクターにしよう」とアドバイスをいただいて、今のぴよちゃんが生まれました。

こんなに長くシリーズ化するとは思ってもいなかったんですが、今では「子どもの頃に読んでました」と声をかけていただくことも増えてきて。一緒にぴよちゃんをつくってきた編集の方にも、ぴよちゃんを愛してくださった読者の方にも、とても感謝しています。

『パンダ なりきりたいそう』をはじめとする「パンダたいそう」も長く続いているシリーズです。次男が保育園の運動会で友だちと組体操をしている姿を見て、パンダが組体操をする絵本のアイデアが浮かんだんですよね。新作の『パンダ おかおたいそう』は、長いマスク生活が終わろうとしている今、皆さんにも表情筋を鍛えて、豊かな表情をしてほしいなという気持ちから生まれました。

絵本の読み聞かせを、退屈でじっと聞いていられない子もいると思うんですが、「パンダたいそう」シリーズは体を動かすことをテーマにした絵本なので、どんどん動き回ってもらえたらなと。体も顔も元気よく動かして、親子のスキンシップを楽しんでくださいね。

いりやまさとしさんのインタビューをもっと読みたい方はこちら

子ども時代の体験が絵本づくりのヒントに

ミーテ プレゼント情報

パンダ おかおたいそう

インタビューの中でご紹介した『パンダ おかおたいそう』に直筆サインを入れていただきました。ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。

※ミーテ会員登録がまだの方は、登録後、ご応募ください。会員登録はこちら

プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

応募期間
1月30日(火)~2月12日(月)

プロフィール

いりやまさとしさん

いりやま さとし

1958年、東京都生まれ。キャラクターデザイン、グリーティングカードのデザイナーを経て、フリーのイラストレーター、絵本作家に。主な作品に『ぴよちゃんのかくれんぼ』をはじめとする「ぴよちゃん」シリーズ(学研)、『パンダなりきりたいそう』をはじめとする「パンダたいそうシリーズ」(いずれも講談社)、『だっこべんとう』をはじめとする「おべんとう」シリーズ(作・木坂涼、教育画劇)、『だっこ むぎゅー』(KADOKAWA)などがある。


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