Vol.66 『ねんねのじかん ねてるこだあれ?』作者・まつおりかこさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、『ねんねのじかん ねてるこだあれ?』をはじめとした「親子で楽しむしかけえほん」シリーズの作者である絵本作家まつおりかこさんにご登場いただきます。
私はもともと、3歳ぐらいからのお子さんを対象とした物語絵本をメインに制作していました。でもある日、本屋さんで、赤ちゃん向けの絵本が並んでいるのをふと目にして、私もいつか赤ちゃん向けの絵本をつくってみたい、と思うようになったんです。
ちょうどその頃、『あかちゃんへおくる やさしいうたえほん』というオルゴール絵本のイラストを描かせていただいたので、そのお仕事が終わったタイミングで、編集者さんに赤ちゃん絵本の企画を提案してみました。今出版されているものと同じ、右ページが上下にめくれるシンプルなしかけの絵本のダミーをつくって、見ていただいたんです。そこから内容をさらに検討して、『ねんねのじかん ねてるこだあれ?』と『いっしょにあそぼう いないいないばあ!』が同時発売されました。
最初の2冊のうちの1冊で「ねんね」をテーマにしたのは、赤ちゃんの寝かしつけに苦心しているという親御さんのお話をよく耳にしていたから。寝かしつけの際、お子さんはもちろんですが、読み聞かせをする親御さんも一緒にほっこりとできるような絵本にしたいと思ってつくりました。
赤ちゃん向けの絵本ということで特に意識したのは、絵のタッチです。複雑に描き込むよりも、ほどよくはっきりしたタッチで、赤ちゃんが認識しやすい絵柄を目指しました。また、動物達の足元にかわいい植物を描いたり、小鳥さんがとまる植物をページごとに変えたりと、お子さんだけでなく読み聞かせをする大人の方にも「かわいい」「楽しい」と思ってもらえるような絵を意識してつくっています。
文章は、くり返しの中にもちょっとした変化をつけて、楽しんでもらえるようにしました。何度も口に出して、心地よいリズムになるよう心がけています。
絵本のページをめくって、親子一緒に笑ったり驚いたり…赤ちゃん絵本は、まだお話ができない赤ちゃんとコミュニケーションをとれる、あたたかな手段のひとつだと思います。「しかけをめくりすぎてページがぼろぼろに…」というお声もいただくのですが、それだけお子さんが絵本に興味をもってくださったということなので、とても光栄だなと感じています。絵本を通じて、親子の貴重なコミュニケーションをお手伝いできていたらうれしいです。
まつおりかこさんの絵本『いっしょにあそぼう いないいないばあ!』など計3冊に直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
まつお りかこ
1989年生まれ。東京都在住。女子美術大学版画コース卒業。主な作品に『あめのひえんそく』『たからもののあなた』『いつつごうさぎのきっさてん』(岩崎書店)、『おふろだいすき! しろくまきょうだい』(教育画劇)、『いっしょにあそぼう いないいないばあ!』『ねんねのじかん ねてるこだあれ?』をはじめとした「親子で楽しむしかけえほん」シリーズ(永岡書店)などがある。