赤ちゃん絵本を楽しもう!

Vol.54 『あかちゃんたいそう』作者・鈴木まもるさんインタビュー

Vol.54 『あかちゃんたいそう』作者・鈴木まもるさんインタビュー

赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は鈴木まもるさんにご登場いただきます。

ノートに何十冊も描いた子育て絵日記が原点

僕は息子が小さい頃、ノートに何十冊も子育て絵日記を描いていました。我が子がかわいくてしょうがなくて、ただひたすら毎日描いていたんですね。20年前に出した『みんなあかちゃんだった』は、その絵日記をもとにした絵本です。

『あかちゃんたいそう』では、赤ちゃんが様々な動物さんと一緒に、すりすりしたり、こちょこちょしたりして遊ぶ様子を描きましたが、これも子育て絵日記が原点かもしれません。絵日記には、息子が猫さんや犬さんと一緒に遊んでいる様子や、現実ではないけれど、あったら面白いなと思う赤ちゃんと動物さんとの交流などを描いていましたからね。登場する赤ちゃんは、自然と『みんなあかちゃんだった』の赤ちゃんにそっくりになりました。

“たいそう”と言っても、体力アップとか、金メダルを狙えるスポーツ選手にしようとか(笑)、そんなことでは全然なくて、肌のふれあいや、一緒にごろごろ、いちゃいちゃする楽しさを描きたかったのです。工夫したのは、赤ちゃんと動物さんが絵本の綴じ目(ノド、と言われる部分)で接するようにしたこと。絵本という形を意識して、ページをめくると動いて見えるようにつくりました。

夢とロマンの世界を親子一緒に楽しんで

『あかちゃんたいそう』が動物さんだったので、『だっこ』ではお父さんとお母さんを交互に出しました。「パンダだっこ」「ライオンだっこ」「ラッコだっこ」など、いろいろな抱っこのバリエーションを描いた絵本です。

パンダのお母さんは、赤ちゃんパンダをずーっと抱いて、なめて育てるそうです。人間もできるだけ抱いて、ある時期までは子どもを溺愛して育てるべきだと僕は思っています。赤ちゃんそっちのけでスマホを見ている方もいるようですが、パンダみたいにしっかり抱いて育ててあげてほしいですね。抱っこするべき時にしっかり抱っこしていれば、子どもは自然に自立していくと思います。

生命は、お母さんのおなかの中で生まれ、10か月暮らした後、赤ちゃんとして産まれてきます。最初は知らない世界で、きっと不安だらけでしょう。そんな赤ちゃんにとってお母さんのおひざは、今までいた場所に最も近い、安心感を得られる場所。一番安心なその場所で、これから生きていく多様な世界を、お母さんやお父さんと一緒に共有して感じとることができるのが、絵本なのではないでしょうか。

読み聞かせの時は、劇の役者さんのような過剰な表現ではなくて、普通にゆっくり読んであげればいいと思います。夢とロマンの世界が、絵と言葉で心の中にしみこんでいくのが、絵本のよいところ。親子一緒に楽しんでください。

ミーテ プレゼント情報

だっこ

鈴木まもるさんの赤ちゃん絵本『だっこ』直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。

※ミーテ会員登録がまだの方は、登録後、ご応募ください。会員登録はこちら

プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

応募期間
11月10日(火)~11月23日(月)

プロフィール

鈴木まもるさん

鈴木 まもる(すずき まもる)

1952年、東京都生まれ。東京芸術大学工芸科中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社、文・竹下文子)で赤い鳥さし絵賞、『ぼくの鳥の巣絵日記』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『ニワシドリのひみつ』(岩崎書店)で産経児童出版文化賞JR賞を受賞。竹下文子さんとの絵本に、『ピン・ポン・バス』(偕成社)、『せんろはつづく』『つみきでとんとん』(金の星社)などがある。『鳥の巣いろいろ』(偕成社)など、鳥の巣研究家としての絵本・画集・エッセイなどの著書も多数。

鈴木まもる 鳥の巣研究所 https://mamorusuzuki.wixsite.com/nestlabo

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