Vol.49 『しましまぐるぐる』作者・かしわらあきおさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、かしわらあきおさんにご登場いただきます。
『しましまぐるぐる』は、私が手がけた初めての赤ちゃん絵本です。絵本制作の基本もセオリーも全く知らない状態からのスタート。どう表現したらいいのやら…と、最初はじたばたしていました(笑)
でも試行錯誤しているうちに、あることに気づきました。「楽しく、そしてわかりやすく伝える」「気分を盛り上げる」といったことは、私がこれまで培ってきたデザイナーの領域だな、と。デザインワークでは思い切りや自由さ、柔軟さを大事にしているのですが、そのスタンスの通りに絵本をつくってみることにしました。腹をくくったと言いますか。絵本の常識を知らないのなら、デザイナーとして好きなように、気持ちいいようにやってみようと考えたのです。
結果、『しましまぐるぐる』は今までになかった絵本として多くの方々に共感いただき、シリーズ累計215万部となりました。「いっしょにあそぼ」シリーズは『あかあかくろくろ』や『まるまるぽぽぽん』などのボードブックの他に、布絵本やタオル絵本など、10タイトルほどあります。読者の皆さんからは、「初めて絵本に反応しました」「食いつきが違います!」といったお声をたくさんいただき、とてもうれしく感じています。
赤ちゃん絵本をつくる際に心がけているのは、自分自身が楽しむこと! そのワクワクは絵本に乗っかって、必ず子ども達へと伝わります。テーマを守りつつも、できるだけ自由に、のびのびと!をモットーに制作しています。あとはリズム感も大事ですね。絵本の文章はもちろんのこと、イラストの配置、空間のとり方、ページ順などについても、気持ちのいいリズムで進むようにつくっています。
絵本は、赤ちゃんが生まれて初めて出合うコミュニケーションツールだと思います。絵本があることによって、親や家族とのコミュニケーションが格段に増えます。お話の絵本を楽しめる年齢になれば、絵本に描かれる世界や登場人物を介して、様々な感情や知識を受け取れるようになるでしょう。絵本は子どもの健やかな成長に必要なツールだと、私は考えています。
「世界中で読まれる絵本をつくりたい!」「100年残る絵本をつくりたい!」みたいな野望もありますが(笑)、基本にあるのは、読んだ子どもが元気になるような楽しい絵本をつくっていけたらな、ということ。これからもデザイナーとしての経験や強みを生かしながら、絵本制作を続けていけたらと思っています。
かしわらあきおさんの新作『しましまぐるぐる タオルであそぼ!えほん』をミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
『しましまぐるぐる タオルであそぼ!えほん』のご紹介はこちら
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
かしわら あきお(柏原 晃夫)
1969年、兵庫県生まれ。神戸デザイナー学院グラフィックデザイン科卒業。クリエイティブディレクターとしてデザイン事務所・京田クリエーションに所属し、絵本作家としても活動。主な絵本に『しましまぐるぐる』をはじめとする「いっしょにあそぼ」シリーズ(学研)、『あかちゃんごえほん』をはじめとする「頭のいい子を育てるプチ」シリーズ(主婦の友社)、『ちょんちょんちょん』をはじめとする「ゆびあそぶっく」シリーズ(ひかりのくに)などがある。