Vol.17 『わたしは だあれ?』作者・後路好章さんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は編集者、絵本作家であり、赤ちゃん絵本研究会の代表としても活動されている後路好章さんにご登場いただきます。
赤ちゃん絵本の魅力や効用については、いろいろありすぎてここでは語りきれないので、今回は赤ちゃん絵本の楽しみ方をいくつかご紹介しましょう。赤ちゃんの月齢や絵本の内容によって、様々な読み方があるんです。
まずは「にこにこ読み」。0歳児は、絵本よりも読む人の顔を見ます。笑顔でかかわってくれる事がうれしいのです。『ころころころ』など、リズミカルな言葉の絵本がいいですよ。
次に「だっこ読み」。1歳を過ぎると、おひざに抱っこして読んでもらうのが大好きになります。お母さんのおなかから伝わってくることばを、直に背中で感じ取る。これがうれしいのです。『ぽんぽんポコポコ』などで試してみてください。
おやすみ前のひとときには「ねんね読み」がおすすめです。赤ちゃんと一緒に寝転がって読みます。おねむりしている動物達の顔写真がかわいい『ねんね』などはいかがでしょう。
体を揺すって歌いながら読む「うたい読み」も、赤ちゃんは大変喜びます。『しっこっこのこけこっこ』など、わらべうた風の絵本が最近たくさん出てきているので、探してみてください。
保育園などでの集団読みの時にやるのが「あるき読み」。実際に歩きながら読むのです。『いちにのさんぽ』をよく使っています。読み終わると「おさんぽ、いこ!」と園児からせがまれるんですよ。ご家庭でもぜひお試しください。
まつもとさとみさん、わたなべさとこさんと一緒につくった新刊『わたしは だあれ?』は、「かけあい読み」が楽しい絵本です。保育園や赤ちゃん絵本研究会で読み聞かせをくり返し、試作と改良を重ね、2年の年月をかけて完成させた自信作です。
あひるちゃんがやすんでいると、「だあれ? だあれ? わたしは だあれ?」と目隠しされます。「だれかな? だれかな?…うさぎさん?」。ページをめくると、「あったりーっ!」とうさぎさん。子ども達に人気の恐竜まで登場します。
「あったりーっ!」。言ってハッピー、言われてハッピー。最終場面では、目隠し合っていた動物達が一列になって、「だあれ? だあれ? わたしは だあれ?」の行列が続きます。共感を楽しむコミュニケーション絵本です。ぜひ読んでみてください。
後路好章さんがまつもとさとみさん、わたなべさとこさんとともにつくった絵本『わたしは だあれ?』に直筆サインを入れていただきました!
ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
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プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
後路 好章(うしろ よしあき)
1940年、北海道生まれ。編集者、絵本作家。北海道大学卒業後、学研の学年別学習誌の編集長をはじめ、あかね書房、アリス館の編集長を歴任。子ども向け雑誌や絵本の編集者として50年のキャリアをもつ。主な作品にに『絵本から擬音語擬態語ぷちぷちぽーん』(アリス館)、『おじいちゃんと日の出を見たよ』(絵・こばやしゆきこ、佼成出版社)、『だあれだ だれだ?』(絵・長谷川義史、ポプラ社)、『ごはんよごはん こぶたちゃん』(絵・とみながゆう、赤ちゃんとママ社)など。読み聞かせイベントや子育てに関する講演、保育士育成の講師としても活躍している。赤ちゃん絵本研究会代表。