Vol.8 『のりものつみき』作者・よねづゆうすけさんインタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、よねづゆうすけさんにご登場いただきます。
『のりものつみき』のアイデアを考え始めたのは、海外の出版社から小さい子向けのしかけ絵本の依頼を受けたのがきっかけでした。赤ちゃんでも楽しめるようなシンプルさ、はっきりした色合いと黒くて太い輪郭線、しかけが壊れにくいことなどを意識して考えました。
試行錯誤の末にたどりついたのが、積み木を使ったしかけ絵本。たくさんの積み木が、ページをめくるとパッと何かに変身したら面白いんじゃないかと思いついたんです。動物や建物など様々なモチーフを検討した結果、一番多く思いついた乗り物に絞ることにしました。車、バス、機関車…と、乗り物がだんだん大きくなっていくという流れにして、ラストはロケットが月に向かって出発! 丸の積み木で月を表現して、うまい具合にまとまりました。
大人でも初めて見る人は、何が出てくるのか当てられないこともあるようです。しかけ絵本でとくに大事なのは、ページをめくった時の驚きだと思っているのですが、『のりものつみき』はその点でも、子どもも大人も楽しめるつくりになったんじゃないかなと思っています。
赤ちゃん絵本は、親子のコミュニケーションに役立つおもちゃのようなものだと思っています。子どもは親が自分のために時間を割いてくれているというだけでうれしいだろうし、子どもが喜んでくれたら、親もうれしい気持ちになりますよね。僕自身も、わが子と一緒にそんな楽しい時間を過ごしてきました。
小さいうちは、投げたり破いたり口に入れたりと、絵本を乱暴に扱ってしまうことも多いものです。でもだからと言って、「ダメダメ!」と取り上げてばかりいてはかわいそうなので、わが家では、ある程度絵本を大事に扱ってくれるようになるまでは、丈夫なボードブックで揃えました。
まずは絵本を「読む」というより、一緒に「遊ぶ」という感覚で楽しんでもらえたらいいのかなと思います。
よねづゆうすけさんの最新作『だれかな だれかな?』に直筆サインを入れていただきました!
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よねづ ゆうすけ(米津 祐介)
1982年、東京都生まれ。東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程卒業。2005年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選。2007年『Bye-ByeBinky』(日本未発売)で絵本作家デビュー。以後も制作した多くの絵本が世界中で翻訳されている。日本で出版された絵本は『のりもの つみき』『にじいろカメレオン』『たべもの だーれ?』『もぐもぐもぐ』『ぴたっ!』(いずれも講談社)など。イラストレーターとしても活躍中。