イチ押し絵本情報

長いお話の楽しさを教えたい!(絵本子育て相談室 Vol.440)

2023年5月26日

絵本や読み聞かせにまつわる皆さんからのご質問に、ミーテ編集部の現役子育てママライターが週替わりでお答えします!
スージー(元・子供服メーカー勤務)
乗り物大好き、子鉄くんのママ。思い出の絵本は『がたごとがたごと』と『いろいろバス』。
アッコ(元・情報紙編集部勤務)
外遊び命、元気印の男の子のママ。ファーストブックは『くっついた』と『やさいさん』。

 長いお話の楽しさを教えたい!

<今回のご相談>
先日4歳になった女の子のママです。娘は絵本は大好きなのですが、長いお話に苦手意識があります。ちょっと厚い、文字が多いとみるや途端に集中力が落ちて、遊びながら聞くから余計わからなくなって最後まで聞くことができません。そんな感じなのですが、いつか私が昔好きだった『いやいやえん』を一緒に読みたいなぁという願いがあります。絵本から長いお話への橋渡しになるような本を教えてください。

 知らず知らず読めちゃう、長いお話

絵本大好きに育っているとのこと。まずは相談者さんのここまでの読み聞かせのおかげですね。絵本好きであれば、時が来れば長いものも読めるようになるとは思いますが、もったいないのが、長いお話に苦手意識があることですね。知らず知らずのうちに、長めのお話を楽しめている…そんな風になれるんじゃないかなというお話をご紹介したいと思います。

まずは、書店でもよく見かける人気作『たまごのはなし』。ある日突然目を覚ましたたまごがマシュマロと共に家の中を探検をするという、シュールで独特の世界観にぐっと引き込まれる物語です。おすすめポイントは、全体に絵が入っていること。子どもたちは読み聞かせをしてもらう際、お話を聞いて、絵を見ています。その形を変えずに、少し長めのお話の方にまず慣れてもらう仕組みです。

次のおすすめは、『ノラネコぐんだんと海の果ての怪物』。こちらは、絵本でおなじみの人気キャラクターの児童書というのがミソ。先に絵本のシリーズを読んで、キャラクターや世界観、お約束事などが頭の中に入ったところでこの本を読めば、たとえ文字だけのページであっても、子どもがシーンを想像することができるというわけです。

等身大の子どもそのものなこぶたの、かわいらしく楽しい日常を描いたお話『こぶたのピクルス』のシリーズは、小さいお話がいくつか入っているので、長いお話への導入にぴったりです。今回は、比較的新しい児童書をご紹介していますが、ロングセラーの『ふたりはともだち』のシリーズなども小さいお話が入っていて児童書への導入にぴったり。ロングセラー=長年子どもたちから支持され続けている本ということですから、娘さんにもヒットする可能性大。図書館で娘さんの反応を見つつ借りてみて。

ちょっと寄り道になりますが、もしマンガに興味がある場合は、『しごとへの道1』がおすすめ。例えばパン職人さんの回では、子どもの頃から学生時代、紆余曲折を経てパン屋を開くまでがマンガ風に描かれた読み物です。対象年齢はちょっと上ですが、絵を追いながらマンガのようにどんどん読み進められるので、気づいたらかなりのページ数読んでいたとなるかもしれません。同じ作者の鈴木のりたけさんの絵本『しごとば』シリーズの続編にあたる本で、大人にも読み応えがありますよ。

先におすすめした『たまごのはなし』は、絵が多くてひとつひとつのお話が短く、また少し年上の子ども向けに見えるおしゃれな表紙が娘さんのあこがれをかきたててくれないかなと思ったので、特におすすめしておきますね。続編の『いちじくのはなし』もどうぞ。

どの本でも、もし1話でも読み進められた時には、「こんなに読めたよ」と読んだページ数や厚さを見せてあげてください。「自分も読めた」という自信が、次のお話を読みたいという気持ちにつながっていくと思います。

(回答:ミーテ編集部・アッコ)


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