毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、ディック・ブルーナさんによる『クリスマスってなあに』。1963年にオランダで出版され、1982年にふなざきやすこさんの訳で日本に紹介されたロングセラーです。
昔々のこと。みんなが寝静まった暗く静かな夜、起きているのは羊飼い達だけです。急に空が昼間のように明るくなり、天使が現れました。「たった今、ベツレヘムの小さな馬小屋でひとりの赤ん坊が生まれました」と、神の子イエスの誕生を知らせたのです…。
タイトルの「クリスマスってなあに」という子ども達の質問に、わかりやすい文と絵で答えてくれるお話です。クリスマスとはキリスト教の「神様の子イエスの生まれた日」をお祝いするもので、その誕生の夜の物語を描いています。
子ども向けにわかりやすいことばは使っていますが、たとえば、天使が神の子の誕生を告げたこと、イエスがベツレヘムのみすぼらしい馬小屋で生まれたこと、馬小屋を訪れたのは羊飼いと3人の偉い学者(東方の三博士)だったことなど、大事な要素は省かず描かれています。世界各地でクリスマスが祝われている理由、クリスマスの礼拝やプレゼントの意味など、子ども達がクリスマスの本当の意味を知る導入となることでしょう。
作者のディック・ブルーナさんは、『ちいさなうさこちゃん』でご存じのオランダの絵本作家です。ブルーナさんの絵本の特徴のひとつは、ブルーナカラーと呼ばれる赤、青、白、緑、黄色、茶色の6色。ですが、この表紙に使われているのは、緑がかった水色です。またうさこちゃんシリーズなどほかの絵本の形は正方形ですが、これは横長につくられています。表紙を見るだけでも、いつもとは違う特別な絵本だということが伝わってくるのです。
ブルーナさんの描く愛らしい子どものような天使に導かれて、あとがきで東京都児童委員の小林悦子さんが書いているように、「世界中で祝われるクリスマスのほんとうの意味を知って、心からよろこびあう」助けとなる一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
昨日は次女の幼稚園最後のクリスマス会でした。年長さんは毎年の生誕劇を披露します。娘は星の役。子ども達の成長にママは胸がいっぱいです。夜の読み聞かせは、次女が『クリスマスってなあに』を選んできました。内容は生誕劇そのもの。「このお星さまが私だね」というから、生誕劇がオーバーラップしてママはまた目頭が熱くなってしまいました。(6歳0か月と8歳11か月の女の子のママ)
2013年には、この絵本がオランダで出版されて50周年を記念して、『愛蔵版 クリスマスってなあに』が出版されました。白と金を基調とした美しい表紙が特徴です。また、もう少し小さい子向けには、『しかけえほん クリスマスって なあに』も。文章はよりシンプルに、しかけで楽しく、クリスマスの物語に触れることができます。いずれもクリスマスのプレゼントにぴったりの絵本です。
Illustrations Dick Bruna (c) copyright Mercis bv,1953-2021www.miffy.com
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