毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、土屋富士夫さんの『もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう』。初版は2000年。第18回ブラティスラヴァ世界絵本原画展入選作です。
「もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう」
おしっこがしたくてデパートに飛び込んだひでくん。ところが案内されたトイレはなんと工事中! 慌てて他のトイレを見つけたものの、思いもよらないトイレでびっくり。はたしてひでくんはトイレに間に合うのでしょうか?
「もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう」というタイトルがまず秀逸です。くり返して唱えると何ともリズミカルで、手書きのフォントも味わい深く、全編通して主人公の焦りを見事に表現しています。
おしっこを我慢しながら慌ててトイレに駆け込む、というシチュエーションは、おそらく子ども時代に誰もが経験すること。絵本を読んでもらっている子どもはみんな、「うんうん、わかる!」と主人公のひでくんにたちまち共感してしまいます。
受付のお姉さんのとぼけた対応から始まって、トイレ探しはハプニング続き。なぜだかデパートにはキリンやコウモリ、ガイコツなどもいて、それぞれ親切にトイレを案内してくれるのですが、人間用の普通のトイレになかなかたどり着けません。
主人公はずっと冷や汗をかいて走っています。表紙では半笑いですが、絵本も後半になるとさすがに余裕もなくなって、眉間にしわを寄せています。最後はすんでのところで夢から覚めて、トイレに向かうのですが…。「ありゃりゃ!」と驚く結末は、ぜひ絵本を手にとってお確かめください。
<ミーテ会員さんのお声>
息子だけじゃなく、上のふたりも楽しんでる絵本です。おとぼけな受付のお姉さんなど笑える部分も多い。意外な最後(!?)にびっくり。オチを理解するのに、ちょっと考えないといけないのもいいですね。息子はこの本をマネして、トイレに行くのに「もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう」と言ってます。(2歳6か月の男の子、9歳0か月と10歳9か月の女の子のママ)
『よりみちエレベーター』には、同じひでくんという主人公が登場します。あわせて読んでみてくださいね。
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