イチ押し絵本情報

好き嫌いで給食残す・給食番長 VS 給食のおばちゃん!(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.338)

2021年5月27日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 好き嫌いで給食残す・給食番長 VS 給食のおばちゃん!

今回ご紹介する絵本は、よしながこうたくさんによる『給食番長』。2007年に長崎出版から出版され、2014年に好学社が復刊した人気作です。

「嫌いなものなんか残しちゃえ!」番長にそそのかされ、1年2組の給食はいつも残ってばかり。ついに怒った給食のおばちゃん達は、家出をしてしまいます。そこで、番長は自分達だけで給食をつくりますが…。

見開き

大胆な構図にデフォルメされたキャラクター。絵の具で力強く描き上げる独特なタッチ。よしながこうたくさんのインパクト大な絵は、一度見たら忘れられない強い印象を残します。

実際の小学校を見学して描いたというクラスや調理室は、細部まで描き込まれています。同時にミーテカフェインタビューで明かしているように、「どのページでも、細かいところでいろいろと“いたずら”してる」そうで、ウサギや顔のあるニンジンなど怪しげな生き物があちこちに登場しています。大胆な構図と細かい描き込み、ユニークなキャラクターが相まって、独特の世界観が生み出されているのです。

絵だけではなく、物語も大胆に誇張されています。給食を残されて家出する給食のおばちゃん。代わりに子ども達が給食をつくるだなんて、もちろん現実には起こりえません。しかしお話が極端に振り切っていることで、笑いとユーモアが生まれます。そして、「つくってくれている人がいるんだから、感謝して食べよう」という真面目なテーマが、子ども達の心に届くのです。

この作品のもうひとつの魅力は、博多弁でしょう。ページの端の方に、博多弁に翻訳されたストーリーが小さく載っています。よしながさんが、デビュー作でもある本作を制作中に、東京から博多に帰ることになったことがきっかけだそう。よしながさんの公式ホームページでは、各地の方言に翻訳された『給食番長』などが掲載されています。ぜひのぞいてみては。

<ミーテ会員さんのお声>
インパクトありすぎる絵と、博多弁バイリンガル絵本というふれこみに、前々から興味をもっていました。出身が博多に近いもので、博多弁で読み聞かせてみました。子ども達は意味がわかるかな…と不安もありましたが、幸い全員が「面白かった!」と言ってくれて一安心。それ以上に私自身が、ことばの響きになつかしさが込み上げてグッときました。(3歳6か月の男の子、6歳11か月と8歳4か月の女の子のママ)

「給食番長」シリーズは『飼育係長』『あいさつ団長』など5作が出ているほか、7月には最新刊『宿題ファイター』が刊行予定だそうですよ! 9年ぶりの新作、楽しみですね。

▼よしながこうたくさんのインタビューはこちら
「絵本で子どもを感動させる それが僕の役目」


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