イチ押し絵本情報

バーバパパ、実はおばけじゃなかった!?(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.297)

2020年8月6日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 バーバパパ、実はおばけじゃなかった!?

今回は、フランス生まれの人気絵本『おばけのバーパパパ』をご紹介します。作者はアネット・チゾンさんとタラス・テイラーさん夫妻。フランスでの初版から今年で50周年を迎えるロングセラーです。日本では山下明生さんの翻訳で1972年に出版されました。

フランソワが庭で花に水をやっていると、土の中からバーバパパが生まれました。ふたりはすぐに仲良しになりましたが、大きすぎるという理由でバーバパパは動物園で暮らすことに。でもバーバパパが檻から逃げ出したので、動物園を追い出されてしまいました。居場所がなくなったバーバパパは、街を歩き回りますが…。

見開き

「バーバパパ」はフランス語で「パパのおひげ」。フランスでは「綿菓子」のことも同じように呼ぶそうです。ピンクのバーバパパだけでなく、黒いバーバママや、カラフルな7人の子ども達のことも同時に思い出す方が多いかと思いますが、シリーズ1作目の『おばけのバーバパパ』にはバーバパパしか登場しません。

バーバパパとバーバママが出会うのは、2作目の『バーバパパ たびにでる』(2作目以降の出版社は講談社)。お話の最後にふたりが土の中に自分達の卵を埋めて、水をやり、何週間も待って土の中から7人の赤ちゃんが誕生します。バーバパパとその一家は「おばけ」ではなく、「卵生の不思議な生き物」だったのです。タイトルに「おばけの」とつけたのは、訳者の山下明生さんのアイデアなのだとか。バーバパパに親しみを感じてもらえるよう、そのようなタイトルにしたようです。

『おばけのバーバパパ』の後半では、体の形を自在に変えられるという特技を生かして、バーバパパが大活躍します。3作目の『バーバパパのいえさがし』では、バーバモジャやバーバズー、バーバリブら子ども達も個性豊かに描かれています。

キャラクターグッズやテレビアニメでも親しまれてきたバーバパパ一家ですが、キュートでポップな見た目とは裏腹に、絵本シリーズでは環境保全や動物愛護、教育などの問題もテーマとして取り上げられています。子どもの頃バーバパパシリーズに親しんだ方も、大人になってお子さんと一緒に読み直してみると、改めて気づかされることがあるかもしれません。

<ミーテ会員さんのお声>
おばけなのに、ヒーローみたいでとってもかっこいいバーバパパに、子ども達も夢中でした。いろいろなものに変身できる、夢みたいなヒーローですね。パパも子どもの頃に大好きだった絵本みたいです。ママは初めて読みました。

お兄ちゃんは、火事の現場でバーバパパが階段になってたくさんの人を助けるシーンがお気に入りのようで、食い入るようにじっくり見ていました。おかげで、どんどんページをめくりたがる妹とけんかになって、危うくちぎれそうでした。(2歳1か月の女の子と3歳6か月の男の子のママ)

2作目以降のカバー袖の「作者紹介」では、建築設計士だったアネット・チゾンさんと、生物や数学の教師をしていたタラス・テイラーさんが、パリのカフェで偶然隣同士になり、いたずらがきを交換しているうちにバーバパパが誕生した、というエピソードが明かされています。

『バーバパパのかずのほん』『バーバパパのかたちさがし』などの知育絵本も出ているので、小さいうちから楽しめますよ。


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