イチ押し絵本情報

ちびとのっぽと一緒に時計を読んでみよう(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.288)

2020年6月4日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 ちびとのっぽと一緒に時計を読んでみよう

今回ご紹介する絵本は、まついのりこさんによる『とけいのほん1』。1973年に出版されたロングセラーです。

ちびとのっぽが散歩にでかけると、どんぐりぼうやがとおせんぼ。「今、何時か教えてくれたら通してあげる」。そこでちびとのっぽは時計をつくります。次にひかりのぼうやもやってきて「今、何時?」。

見開き

きれいなミントグリーンの背景に、明るい黄色い花の形をした時計。書店や図書館で並んでいてひときわ目立つ、明るく洗練された配色の表紙の絵本です。時計の読み方を教える教育的な内容の絵本ですが、軽やかな気分で読み始めることができます。

お話の主人公はちび(短針)とのっぽ(長針)。時計の針に目と口、棒の手足がついただけ。他のキャラクターも、基本線画です。ページを開いて目に飛び込むのは、黄色い花の時計と、そこにくっきりと書かれた数字と針。他がシンプルなおかげで、時計を読むことに集中できるのです。

一方、時計の読み方は、丁寧に、詳しく、忍耐強く書かれています。時計の針にはちびとのっぽがあり、スピードが違い、数字が1~12まであること。そこから、定時の読み方が教えられ、何度も時間を変えて、くり返し、くり返し、読み方を反復します。次は「半」について、短針と長針の位置と読み方を教え、またくり返しくり返し。

子どもがつまづきやすいところを丁寧に順を追って説明し、何度も反復する。根気強くてやさしい先生が、子どもの進み具合を見ながら、くり返し教えてくれているようです。

「今、何時?」と何度も質問が入ってはいるものの、読み聞かせる際には、子どもに答えを求める必要はありません。まずは他の読み聞かせと同じく文章を読むだけ、あるいは大人が答えて進むのでいいでしょう。平易に説明されていますが、内容は小学校の算数で習うものです。くり返し読み聞かせることで、少しずつ理解が深まっていくことでしょう。

2巻では、今度はおばけがやってきて時計の針と遊びながら、何時何分までの読み方を教えてくれますよ。1巻の時計が読めるようになったら、続けて読んでみてくださいね。

<ミーテ会員さんのお声>
実際に時計が付いていて針を動かせるタイプの絵本では、ジャストの時間しか読めるようにならなかった息子。ドリルは、息子に「いらない!」と言われちゃったしなぁ…。そこに出合ったこの本。時計はついてなくて、絵と文章だけ。なのにすごくわかりやすくて驚きました。『〇時半』というような、短い針が微妙な位置にある場合の説明が、とても自然。くり返してくれるので、最後は息子も時計が読めました! 2巻も一緒に買うべきだった。(5歳5か月の男の子のママ)

まついさんの夫は数学教育者の松井幹夫さん。「算数たんけん」シリーズなど、ご夫婦の共著で、算数に関する本をたくさん出されていますよ。


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