イチ押し絵本情報

こばこを開けて、ことばの小宇宙へ(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.257)

2019年10月24日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 こばこを開けて、ことばの小宇宙へ

今回ご紹介する絵本は、和田誠さんの『ことばのこばこ』。1981年に初版発行され、1995年に再刊されたロングセラーです。

しりとり、回文、数え歌に擬音語遊び、同音異義語など、子どもも大人もハマることば遊びが18種類。和田誠さんならではの軽妙なタッチのイラストで楽しめます。

見開き

付録として折り込まれている小冊子「対談 ことばの宇宙」によると、この絵本はもともと、世界文化社の「ことばとかずの本」というシリーズで月1回連載されていたものだったのだとか。ことばで遊べるようになるためには、ある程度ことばを習得している必要があるので、この絵本はことばをまだ話せない小さな子には向きませんが、しりとり遊びができるようになる4、5歳くらいから、上はおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広く楽しむことができます。

どのページも、ことばと絵のバランスが絶妙で、さすが和田誠さんとうならされます。たとえば「ことばのこばこ(6)」。「さら」の上に皿の絵、「さらさら」の上に小川がさらさらと流れる絵が描かれています。「もり」の上には森の絵、「もりもり」の上にはごはんをもりもり食べる男の子の絵。同じことばが重なるだけで違う意味になることが、ぱっと見ただけでわかります。

それぞれのことば遊びについて、解説は特にありません。並んでいる文字を見たり読んだりして、自分でその面白さを発見することこそ、この絵本の醍醐味。でも絵がヒントとして散りばめられているので、きっとすぐに「あぁ、これはこういう遊びね」と気づくことでしょう。ひと通り楽しんだら、自分でも似たようなことば遊びを考えてみるのもおすすめ。ことばの小宇宙で、最高の暇つぶしができますよ。

<ミーテ会員さんのお声>
息子が『ことばのこばこ』の音読を練習中。本人がノリノリで読む七五調のうたや数え歌って、3歳の読み方でもちゃんとリズム感がある。ラッパーがラップをやってる理由は、やっぱりことばがすごく面白い娯楽だからなんだろうな、と再認識した。

何度もくり返し読む息子。あまりに熱が入っているから、聞いている私がぷぷっと吹き出す。演劇部の発声練習ってこんな感じだったかも…と、学生時代の放課後を思い出した。(3歳9か月の男の子のママ)

『ともだち』『あな』『これはのみのぴこ』など、谷川俊太郎さんとの共作も多い和田誠さん。シンプルな線で描かれる独特の味わいを楽しみましょう。

※作者の和田誠さんは、2019年10月にご逝去されました。故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。


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