毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、山岡ひかるさんの『いろいろたまご』。2007年に、『いろいろごはん』と同時刊行された、「山岡ひかるのおいしい絵本」シリーズの第1作です。
ころころたまご、そっくりたまご、何になるかな…。たまご達が、ことばのリズムに乗って、ゆでたまごやオムレツ、目玉焼きなどに大変身。さあ、今度は何になるかな?
パックに入ったたまご達は、何人いてもみんなそっくり。見分けがつきません。でも、手を加えると変幻自在。見た目も味も全然違うお料理に大変身します。
子どもにとって身近な存在のたまご。殻に入った最初の状態も、料理後の姿も日常のありふれたものですが、変化の過程は子どもにとって新鮮な驚きがあることでしょう。「なにになる?」とワクワクしながらめくると、子ども達が大好きな卵料理が登場。読むたびに子ども達の目がキラキラと輝くのがわかります。
ことばはリズミカルで短く、とてもシンプル。絵はすべて貼り絵で表現されています。形はごく明快で、色もほとんど白~オレンジの間のものしか使われていません。ですが、白身やたまごかけごはんなどの質感が絶妙で、細かいところまでとても丁寧。よく練られた上のシンプルで端的な表現、そしてくり返しが効果的に使われることで、控えめながらとても多彩な印象が残ります。
日常にあるちょっとした驚きが、親子の普段の会話のようにごく自然な形で提示されている。だからこそ、様々な子育ての場にそっと寄り添うように置かれ、くり返し読まれているのでしょう。
<ミーテ会員さんのお声>
赤ちゃんの頃にいっぱい読んであげた『いろいろたまご』を久しぶりに読んだ。娘も気に入って、ここ数日自分でも何回も開いている。以前は自分が食べるまねをしていたけれど、昨日パパに読んでもらっていた時は、離れた場所にいる私にも食べさせようときてくれた。特にスープは、両手で器を持ってる感じで! 「ふーふー」してから、手を私の口にタッチ♪ 成長を感じたし、私にもわけてくれた気持ちがうれしい(*^^*)(1歳8か月の女の子のママ)
食材が料理に変身する過程がごく自然に、同時に楽しく表現されていて人気のシリーズ。最新の『いろいろきのこ』まで現在10冊刊行されています。「食育!」と肩に力を入れずに楽しい形で子どもに伝えられるのも人気の理由のひとつ。絵本を読みながらやりとり遊びはもちろん、子どもが少し大きくなってきたら台所での会話にも発展するなど、長くそばに置いておきたくなる絵本です。
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