毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するの絵本は、和歌山静子さんの『ひまわり』。2001年に月刊絵本「こどものとも年少版」の一冊として発行され、その後、2006年にハードカバー化されました。
小さな種がひと粒、「とん」と地面に落ちました。土の中の種は、おひさまの光をたくさん浴びて、元気よく芽を出します。ぐんぐんと茎が伸び、葉っぱも出てきて、雨や風を受けながらも、さらにどんどん大きくなって、やがて…。
生命力あふれるひまわりの成長がダイナミックに描かれた絵本です。縦に開く構成で、地面から空に向かってひまわりがぐんぐん伸びていく様子が効果的に表現されています。
「どんどこ どんどこ」というかけ声で進んでいく展開は、作者の和歌山静子さんが、編集者さんとやりとりする中で出たアイデアなのだそうです。最初はもっと長い文章を考えていたものの、「なんだか面白くない」と再検討。文字のない絵本にする案もあったそうですが、それだと読み聞かせをするお母さん達が「ひまわりの種が出てきたね」「雨も降ってきたわね」などといちいち説明することになるかもしれないからという理由から、シンプルで力強い「どんどこ どんどこ」のリズムが採用されたのだとか。詳しくはインタビューで語ってくださっていますので、ご覧くださいね。
「どんどこ どんどこ」のくり返しは、まさに命の鼓動。よく見ると、ひまわりの成長に合わせて、文字の大きさが少しずつ大きくなっているのがわかります。最後は大きな「どん」と合わせて、大輪のひまわりが力強く開花。そしてその次のページでは、ひまわりの種が地面へと落ちていく様子が描かれ、命の循環を感じさせます。
読み聞かせの際は、文字のサイズと合わせてどんどん声を大きくしていくと、大いに盛り上がることでしょう。
<ミーテ会員さんのお声>
朝から『ひまわり』を持ってきた! おお、気に入ったのかな? 私はひまわり好きで、今年の夏、念願のひまわり畑に家族で出かけたほど。この絵本のひまわりも、どーんと大きく鮮やかに描かれていて、とても迫力があります。息子はどんどんひまわりが成長していくのが面白いようで、まるでパラパラ漫画のようにめくっています。(1歳2か月の男の子のママ)
夏にこそ読みたい、元気をもらえる一冊。和歌山静子さんならではの太く力強いタッチが存分に生かされた名作です。裏表紙にはひまわりの後ろ姿も描かれているので、お見逃しなく。
▼和歌山静子さんのインタビューはこちら
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