毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、第38回小学館絵画賞や第11回絵本にっぽん賞受賞など数々の賞を受賞した、田島征三さんの名作『とべバッタ』。1988年の初版以来、豪快で迫力のある絵と痛快なストーリーで、子どもだけでなく大人をも魅了してきたロングセラーです。
主人公は、恐ろしい天敵から身を守るため、小さな茂みの中で、毎日びくびくと怯えながら暮らしているバッタ。でもある日、怯えながら生きていくことが嫌になって、堂々と生きていこうと決意します。大きな石の上でひなたぼっこを始めると、案の定、ヘビやカマキリが見つけて襲いかかってきて…。
お話の冒頭では、仲間のバッタが次々と天敵の餌食となって、無残に死んでいく様子が描かれています。そんな状況をわかった上で、それでも自分らしく生きようと一大決心するバッタ。絶体絶命のピンチを切り抜けて、高く高くジャンプし、夢中で羽をばたつかせて遥か彼方へと飛んでいく姿は、迷いがなく、とても勇敢で、見る人を勇気づけます。
泥絵の具で躍動感たっぷりに描かれた力強い絵は、この絵本の何よりの魅力。バッタのあふれんばかりの生命力が、ダイレクトに伝わってきます。読んでもらっている子ども達は、最初は怖々と、続いてドキドキしながらバッタの様子を見守り、気づけば「とべ! 行け! 負けるな!」と、心からエールを送っていることでしょう。
<ミーテ会員さんのお声>
なんて迫力のある絵なんでしょう。娘は、やはり、怖い怖いと言いながら見ていました。でも今朝になって、「このバッタ、本当は強かったんだよ」「かっこよかった」と言ってました。バッタの勇気が伝わったのかな。(5歳7か月の女の子のママ)
最後のページには、遠い地で新しい出会いを見つけたバッタの幸せそうな様子が描かれています。不安や恐怖で前に進めずにいる人に、一歩踏み出す勇気を与えてくれる一冊です。
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