イチ押し絵本情報

空から池の底まで 月のぼうやの大冒険(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.149)

2017年9月14日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 空から池の底まで 月のぼうやの大冒険

今回ご紹介するのは、デンマークの作家イブ・スパング・オルセンさんのロングセラー『つきのぼうや』です。デンマークでの初版発行は今から55年前。日本では1975年に、山内清子さんの訳で出版されています。

空の上のお月さまがふと下を見ると、池の中にもうひとりのお月さまを見つけました。あの月と友だちになりたい、と思ったお月さまは、月のぼうやを呼んで、下へ降りて連れてくるようお願いします。月のぼうやはかごを下げて、元気よく駆け下りていきますが…。

見開き

この本の一番の特徴と言えば、縦34cm×横13cmという細長い判型。この形が、地上から見上げる月の高さを効果的に表現しています。

月のぼうやがふわりふわりと地上に向かって降りていく様も、とてもユニーク。途中でうっかり星を蹴飛ばしたり(蹴飛ばされた星は流れ星に!)、雲を突き抜けてびしょぬれになったり、渡り鳥の群れに囲まれたり、煙突の煙で顔をすすだらけにしたりと、様々なハプニングがテンポよく起こります。

縦長の1ページの中に、月のぼうやは多い時で3人も描かれています。月のぼうやの動きに合わせて、読み手の視線も自然と上から下へと移動していくので、画面に動きが生まれます。

地上にたどり着いた月のぼうやは、躊躇なく水の中にぱしゃーん! さて、月のぼうやは空のお月さまに、地上の月を持ち帰ることができたのでしょうか? 結末をご存じない方はぜひ、絵本を読んでお確かめください。

<ミーテ会員さんのお声>
私の実家にもあった本で、最近の息子のお気に入り。縦に細長い形が気に入ったのかな。よく手に取る。お月さまの丸顔も好きなのかな。

上から下へ、ページの使い方が面白い。私も子どもの頃、この漫画みたいな構成を楽しんでいたっけ。空を飛ぶ楽しさも味わえる。息子は、お月さまや鳥、飛行機、風船など、出てくるものに喜んで、あれこれ指を差し、いろいろ教えてくれる。

ラストは、お友だちができて幸せなお月さま。お空にひとりでいるのは、やっぱり寂しかったのかな。読み返しても、面白い絵本です。

そしてこの本の形、読み聞かせには楽かも~。繰り返し読んでも手が疲れない!(1歳7か月の男の子のママ)

月のぼうやは、地上の月を探す途中で、風船やボール、りんご、丸々と太ったおじさんなど、お月さま以外にも様々な丸いものと遭遇します。親子で一緒に丸いもの探しを楽しむのもおすすめですよ♪


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