毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、片山健さんの『おなかのすくさんぽ』。1981年に月刊絵本「こどものとも」で発表され、92年に市販本化されました。
僕が歩いていたら、動物達が水たまりでバチャ、バチャ遊んでいました。僕だって、バチャ、バチャ、バッチャン。どろんこ遊びに洞窟探検、川遊び! 動物達と一緒に土や水と戯れる、子どものパワーが圧倒的な一冊です。
一見スケッチのような表紙の絵。茶や黒がメインの暗めの色彩。本棚にあって目立つ本ではありません。ですが一度本を開くと、中には子どものパワーがあふれんばかりに描かれていて、忘れられない一冊になることでしょう。
男の子と動物達は、水たまりで競い合うようにバチャバチャ水をはね散らかし、体全体を使ってどろを集めてまんじゅうをつくり、掘った穴の中で丸くなる。「どうぶつになるみたい」ということばの通り、原始的なパワーに突き動かされて吠えまくります。読み聞かせを聞く子ども達も、思わず巻き込まれるほどのパワーが、絵本全体にみなぎっています。
男の子のシャツは、最初は真っ白。それが真っ黒に汚れ、川で洗われ、クタクタになります。それと反するように、男の子がどんどん輝いていくように見えてくるから不思議です。
それにしても、子ども達が夢中になって自然の中で遊ぶさまを見事にうつしとっていると感じます。集中しきって、どんどん遊びを発展させ、そしておなかがペコペコになると急に家を思い出してあっさり解散。こんな体験を、自分の子どもにもたっぷり経験させてあげたい! そんな輝きに満ちた一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
今日はプレ幼稚園でどろんこ遊び。というわけで、片山健さんのこの絵本をセレクト。刺激になったからか、読み終わる前から園でしたことを次々を話し出して、全然寝付かない…。でも、おかげで楽しい夜の読み聞かせタイムになった!(2歳8か月の男の子のママ)
男の子のモデルは、片山健さんの息子さん。ほかにも、同じく子どものもつパワーに圧倒される『どんどんどんどん』や、娘さんがモデルのコッコさんシリーズなども、ぜひ手に取ってみてくださいね。
無料会員登録後は、過去の「絵本子育て相談室」など、
様々な絵本情報が読み放題!
ぜひミーテにご登録ください♪