イチ押し絵本情報

赤ちゃんがおへその穴から見る世界(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.108)

2016年11月24日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 赤ちゃんがおへその穴から見る世界

今回ご紹介する絵本は、長谷川義史さんの『おへそのあな』。2006年出版の、新しい命を迎える喜びを描いたロングセラーです。

お母さんのおなかの中にいる小さな赤ちゃん。おへその穴から家族の様子を見ています。お兄ちゃんもお姉ちゃんもお父さんも…、みんな赤ちゃんが生まれてくるのを待っています。

見開き

おなかの赤ちゃんとママをつなぐ、おへそ。その穴から赤ちゃんが外の様子をのぞいている、という視点がまずユニークです。

そして、赤ちゃんは頭を下にしているからと、景色は上下逆さま。お話を聞く子どもは、もちろん絵本をひっくり返してみます。すると「お兄ちゃんは文字を間違えている」「赤ちゃん猫を運ぶ母猫がいる」などと、絵の細部に目が行くようになり、すっかりこの絵本のペース。この家族と一緒に赤ちゃんを待ちわびるようになっていきます。

長谷川義史さんは、お子さんが3歳くらいの頃に「おなかの中でどうだったか」とインタビューしたことがあったんだそう。その時に聞いた話がきっかけで、お話が生まれたとのこと。長谷川さんご自身、3人のお子さんのパパ。出産はすべて立ち会われたそうです。パパとしての経験が、一冊にぎゅっとつまっている気がしますね。

赤ちゃんを、ドキドキワクワク、待ち焦がれる大家族。それだけでも十分幸せな気持ちにさせてくれる絵本です。でもこの絵本の力はその先にもあります。

「見える」「におう」「聞こえる」と感覚を研ぎ澄ませながら、赤ちゃんの思いは家族から広がり、世界の音、地球の音へ。その末に、主体的に、明日生まれると伝えてきます。生まれた瞬間から始まるのではなく、おなかの中から続く連続性、そして命の主体性。その力強さに感動を覚えるのではないでしょうか。

<ミーテ会員さんのお声>
妊娠がわかってから、よく私のお腹に話かけてくれる娘。『おへそのあな』がすごく気に入ったみたい。「おへそだして。あかちゃんにみせる」といって、私のシャツをまくり、おへそに向かって絵本や人形を見せて「みえる? みえる? ◯◯だよ」って話しかける。私もこの絵本が好き。(2歳1か月の女の子のママ)

長谷川義史さんの、ゆったりとした力強い筆運びの絵は、私達をおおらかであたたかな気持ちにさせてくれます。他にロングセラー&名作ピックアップでご紹介した『いいからいいから』や、自伝的絵本の『てんごくのおとうちゃん』『おかあちゃんが つくったる』など、名作がたくさんあるので読んでみてくださいね。

▼長谷川義史さんのインタビューはこちら
「絵本に自然とにじみでる、それまでの生き方」
※『おへそのあな』については、後編でご紹介しています。


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