毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、はたこうしろうさんによる名作『なつのいちにち』。2004年に出版された、人気作です。
今日は絶対つかまえる。待ってろよ! でっかいクワガタムシ…。暑い夏の日。クワガタのいる山をめざして、男の子は走ります。強い日ざしに鮮やかな緑、青草のにおい、入道雲。ページのそこここから、夏があふれ出す絵本。
男の子がクワガタをとりに行って帰ってくる。ただそれだけのシンプルなストーリーに、夏の日差しに照らされてコントラストが鮮やかな絵。一度読んだら忘れられない、インパクトのある作品です。主役は、まずタイトル通り「なつのいちにち」。夏の日差し、あふれる緑、入道雲、降るようなセミの声。日本のどの地域で子ども時代を過ごした、どの年代の人も、思わず「懐かしい」と口をついて出るような、日本の夏が、画面からこぼれんばかりに描かれています。
濃い季節の中をひた走るのは、クワガタムシに夢中な男の子。虫のいる場所が遠かろうが、山が急で階段の数が多かろうが、刺すような夕立が降ろうが、夢中になっている男の子には関係がありません。夢中になって遊んでいるからです。その凝縮された時間のきらめきを、見事にすくいとったからこそ、多くの人に支持されてきたのでしょう。
はたさんご自身も大の昆虫好きで、子どもの頃はお兄さんと一緒によく虫とりをしたのだそう。お子さんが虫とりに興味をもった時は、はたさんの子ども時代の体験を生かしてつくられた『むしとりにいこうよ!』を読むことをおすすめします。きっと、夢中になって遊ぶ体験ができますよ。
<ミーテ会員さんのお声>
先日向かいの方からカブトムシをいただきました。朝起きるとカブトムシに挨拶し、園から帰ってきた後も覗き、寝る前にまた見に行きます。ちょうど『なつのいちにち』を借りたところだったので、「まだわからないかな~」と思いつつ読んだら、「もう1回」と何度もリクエスト。カブトもクワガタも、「かっこいいね~」とずっと言っていました。
(2歳6か月の女の子のママ)
夢中になって遊んでいる子ども達にこそ、読んでほしい一冊です。少し大きくなってこの絵本を読み返した時に、自分のあの「なつのいちにち」がよみがえる、タイムカプセルのような絵本です。
▼はたこうしろうさんのインタビューはこちら
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