毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、1965年にポーランドで生まれた絵本『しずくのぼうけん』です。日本での初版は1969年。世界傑作絵本シリーズの一冊として愛されてきました。
バケツからぴしゃんと飛び出した、小さなしずく。裏庭から始まって、クリーニング店や病院、雲の上から地面へと、大冒険を続けます。汚れてしまったり、消えそうになったり、氷になったり…次はいったいどうなるの!?
水は冷やすと氷になり、熱を加えると水に戻ります。そしてさらに熱を加えると水蒸気へと変化します。固体・液体・気体という3つの状態に変化する水の性質を、かわいらしいイラストと冒険仕立てのストーリーでわかりやすく描いた一冊です。
あえてジャンル分けするのであれば、科学絵本に分類されるのでしょうが、この絵本の魅力は、科学なんてまるで関係なしに、冒険物語としても楽しめるところにあります。
主人公のしずくは点と線だけでシンプルに描かれていますが、困ったり驚いたり笑ったりと、実に表情豊か。手足の動きも絶妙で、しずくがそれぞれのシーンでどんな思いをしているのかが、とてもよく伝わってきます。ほこりだらけになってクリーニング店に行ったり、病院で煮沸されそうになったり、下着と一緒に洗濯機でぐるぐる回されたりと、ドタバタの展開もユーモアたっぷり。楽しみながら水の三態について学べる、一石二鳥の絵本です。
<ミーテ会員さんのお声>
簡単でかわいらしい絵本ですが、水の変化がイメージでつかめていい本だなぁと思いました。「なんで雨が降るの?」「なんで氷が解けると水になるの?」など、最近の娘のなんでなんで攻撃にピッタリでした!(3歳1か月の女の子のママ)
日本語版の翻訳は、『てぶくろ』の翻訳も手がけられた内田莉莎子さん。やや長めの文章ではありますが、リズミカルな訳文のおかげで、テンポよく読み進めることができます。タイトルや本文のレタリングは、『ぐるんぱのようちえん』の絵でおなじみの堀内誠一さんによるもの。ちょっぴりレトロな風合いの文字が、ボフダン・ブテンコさんの絵とぴったりマッチしています。
この絵本を読めば、雨の日だって「しずくが空から戻ってきたね!」と楽しい気分になれそうですね♪
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