イチ押し絵本情報

人気アニメキャラの元祖、ここにあり!(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.83)

2016年6月2日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 人気アニメキャラの元祖、ここにあり!

今回ご紹介する絵本は、1976年初版のやなせたかしさんの『あんぱんまん』。テレビアニメでおなじみの人気キャラクター「アンパンマン」の元祖となる絵本です。

あんぱんまん
あんぱんまん
作・絵:やなせ たかし
(フレーベル館)

広い砂漠の真ん中で、おなかを空かせた旅人が死にそうになっていたところ、西の空からマントをつけた不思議な人が飛んできました。その人はいきなり「さあ、ぼくの顔を食べなさい」と言って、自分の顔を差し出します。旅人が恐る恐る頭にかじりつくと…。飢えた人を救おうと奔走する正義の味方「あんぱんまん」の活躍を描きます。

インタビューでも語ってくださっていますが、このお話が生まれた背景には、やなせさんの戦争体験があります。兵士として敗戦を経験したやなせさんが「本当の正義とは何か」と考えた末に生まれたのが、捨て身で人助けをする「あんぱんまん」だったのです。

アニメのキャラクターとしての「アンパンマン」に見慣れている方は、最初に出てくる4頭身の「あんぱんまん」のすらりとした立ち姿に驚くかもしれません。でも、パン工場であんこたっぷりの新しい顔をつくってもらうと、2.5頭身程度のふっくらとした姿に。服やマントの色や形は今のアンパンマンと同じなので、子どもは案外すんなりと受け入れることでしょう。

手描きの風合いや「あんぱんまん」という平仮名表記がノスタルジーを感じさせます。

<ミーテ会員さんのお声>
この絵本のあんぱんまんは、アニメと違って背が高くて、顔も全部食べられて、体だけで飛んで行っちゃう。ジャムおじさんも名前がないし、バイキンマンも出てこない。それでも、おなかがすいた人にパンを食べさせてあげるという、やさしさにあふれる本でした。読み終わった後、このあんぱんまんに出会えてよかった気がしたのは、私だけ? 息子達もそうかな?(2歳0か月と5歳11か月の男の子のママ)

やなせさんは2013年10月13日、94歳で亡くなられましたが、アンパンマンは今も変わらず、多くの子ども達から愛されています。本当の正義とは何か。絵本を読み聞かせしながら、親子で考えてみてはいかがでしょうか。

▼やなせたかしさんのインタビューはこちら
「読み聞かせで大事なのは『間』をとること」


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