毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、竹下文子さんの文、鈴木まもるさんの絵による乗りもの絵本『ピン・ポン・バス』。1996年の初版から20年、たくさんの親子に愛されてきた人気作です。
ブルン、ブルルン。駅前を出発したバスは、スーパーの前、学校の前、病院の前、お寺の前など、いくつもの停留所に止まりながら、山奥の終点まで向かいます。
駅前から終点まで、ストーリーを盛り上げるような大きな出来事は起きません。描かれているのは、バスのまわりで起こる日常的な出来事の数々。買い物帰りの人、学校帰りの小学生、病院にお見舞いに行く人、旅行中の家族…乗り降りする人の数だけドラマがあります。
風邪をひいたおじいさんに席を譲る男性、バスに手を振る子どもと、その子の家の前で少しスピードを落とす運転手さん、カーブの揺れで散らばった缶ジュースをみんなで拾ってあげる様子…こうした小さなドラマが丁寧に描かれているのが、この絵本の何よりの魅力です。
乗りもの好きなお子さんを持つママの共通の悩みとして、「図鑑ばかり見ていてつまらない」という声をよく聞きますが、作者の竹下文子さんも子育て中、同じ悩みを抱えていたと、インタビューで語ってくださっています。「もっとお母さんも楽しめるような乗りもの絵本があったらいいのに」という思いから生まれたのが、この『ピン・ポン・バス』なのです。
「降りる方はボタンを押してお知らせください」「カーブで揺れますから、ご注意ください」といった運転手さんのアナウンスや、信号待ちの交差点にずらりと並ぶ働く車の数々、最終ページには運転席の図解など、乗りもの好きな子ども達の心をつかむ要素も満載。乗りもの図鑑を見たい子どもも、図鑑ばかりで飽きていたママも、どちらも満足できる一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
最近、週1回はバスに乗る機会ができたので、この絵本を買ってみた。バスの運転手さんの立場で、町の景色や乗客の様子が描かれている。内容もあたたかいし、絵がたまらなく楽しい。パパも「この絵本はいいね! 大きくなってからも楽しめるよ」と絶賛。息子も「ピンポンバス、ピンポンバス」と騒いでいた。(2歳2か月の男の子のママ)
竹下さん、鈴木さんご夫妻は、続編の『うみへいくピン・ポン・バス』の他にも、パトカー、ショベルカー、収集車など、働く車の絵本をいくつも手がけていらっしゃるので、乗りもの好きなお子さんのママ、パパはぜひチェックしてみてくださいね。
▼鈴木まもるさん・竹下文子さんのインタビューはこちら
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