イチ押し絵本情報

イヤイヤ期の子どもを描いた人気作(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.65)

2016年1月28日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 イヤイヤ期の子どもを描いた人気作

今回ご紹介する絵本は、せなけいこさんの『いやだいやだ』。『ねないこだれだ』などとともに1969年に出版された「いやだいやだの絵本」シリーズの1冊で、130万部突破のロングセラーです。

ルルちゃんは、なんでもすぐに「いやだ」と言います。それならお母さんだって抱っこを「いやだ」って言うわ。おやつのリンゴやケーキはお口に入るのを「いやだ」って言うし、おひさまだって靴だって、ぬいぐるみのくまちゃんだって「いやだ」って言うよ。そうしたらルルちゃんはどうするの?

見開き

眉を吊り上げ、目を見開き、大きな口を開けて「いやだ!」と主張するルルちゃん。手足もどーんと開いて、体全体で反抗している様が、せなさんならではの貼り絵で描かれています。そんなイヤイヤ期真っ最中のルルちゃんに、お母さんもイヤイヤで対抗。おやつも靴もくまちゃんも、「そっちがそこまで言うなら、こっちだって!」とばかりに、本気の怒り顔でぶつかります。

「そうしたらルルちゃんはどうするの?」と聞かれたルルちゃんは、最初の勢いはどこへやら、すっかり泣きべそ顔。お話は、問いかけへの答えは何も示さず、そのまま終わります。

イヤイヤ期にうってつけの絵本ではありますが、この絵本を読めばイヤイヤが収まる、という魔法のしつけ絵本ではありません。むしろ、「私ももうイヤ!」と怒り出しそうになるママをクールダウンさせてくれる一冊という気もします。

イヤイヤ期も終盤になれば、この絵本を読むことで、自分のイヤイヤがいかに周囲を困らせているか、子ども自身に自覚を促すことができるかもしれません。イヤイヤは誰もが通る道、そしていつかは終わるもの。絵本の応援を受けながら、乗り切っていけたらいいですね。

<ミーテ会員さんのお声>
イヤイヤ期は過ぎ、言葉で自分の考えを主張できるようになって来ていますが、思い通りにならないとすぐ癇癪を起こすので、そんな時はこの本を読んであげています。最後の「そうしたら、ルルちゃんはどうするの?」のところを、子どもの名前に置き換えて困った顔をしてみせると、思い当たる節があるようで、バツが悪そうな顔をします。(3歳6か月の女の子のママ)

この絵本以外にも『ルルちゃんのくつした』などにも登場する「ルルちゃん」という女の子は、せなさんの娘さんである黒田かおるさんがモデルだそう。ミーテのインタビューでせなさんは、「少し大きくなってから『ルルちゃんってあなたのことでしょう』とからかわれたようで、娘からは大変迷惑したって言われましたよ(笑)」と語っておられます。

▼せなけいこさんのインタビューはこちら
「絵本づくりで一番こだわるのは『独創性』」
※ルルちゃんについてや、娘さんである黒田かおるさんとの共作絵本については、インタビュー後編に掲載


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