イチ押し絵本情報

永遠の愛を誓い合う、2匹のうさぎ(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.55)

2015年11月12日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 永遠の愛を誓い合う、2匹のうさぎ

今回ご紹介するのは、アメリカの絵本作家ガース・ウイリアムズさんの絵本『しろいうさぎとくろいうさぎ』。日本では1965年に出版され、以来50年の長きにわたって読み継がれています。

広い森の中に住む白いうさぎと黒いうさぎはとても仲良しで、毎日一緒に楽しく遊んでいました。でも、黒いうさぎは時折、とても悲しそうな顔をして何か考え込んでいます。その理由を知った白いうさぎは…。

原題は『The Rabbits' Wedding』、つまり「うさぎの結婚」なのですが、それだと結末がわかってしまうため、そうでない訳をということで、翻訳者の松岡享子さんが『しろいうさぎとくろいうさぎ』というタイトルを考案されたそうです。「結婚」が何なのかまだ理解できない年齢の子どもでも親しみやすいこのタイトルだからこそ、発行部数245万部というベストセラーになったようにも思えます。

見開き

アメリカでは出版当時、異人種間結婚を連想させる絵本として論争を呼んだそうです。人種差別がまだ色濃く残っていた南部の一部の図書館で、この絵本が撤去されるといった騒ぎもあったとか。確かに、白いうさぎ=白人、黒いうさぎ=黒人とも読み取れますし、白いうさぎとの未来に不安を抱く黒いうさぎの悲しげな表情も、そのように解釈すればなるほどと合点がいきます。

でも子ども達にとっては、この絵本はあくまで2匹の仲のいいうさぎのお話。読み聞かせの際はあまり深読みせず、純粋な愛の物語として読み進めると、読み手もあたたかい気持ちになれることでしょう。


悲観的でいちいち考え込んでしまうタイプの黒いうさぎと、天真爛漫で楽観的な白いうさぎ。好きという気持ちは同じですが、性格や言動はまったく異なります。タイプの違う者が寄り添って、お互いを補い合いながら一生を共に暮らす…結婚とはそういうものなのだ、と改めて考えさせられる一冊。結婚祝いのプレゼントに贈られる方も多いようです。

<ミーテ会員さんのお声>
娘は「将来子どもを何人産んで、一軒家に住んで、たまにママの家に遊びに来るね」とか言います。「好きな男の子はいるの?」と聞くと「小学校入ったら見つける」と答えます。結婚に憧れている娘には、この絵本はとてもよかったと思いました。なんとなく、結婚の意味がわかったかな? 大事な気持ちもわかったかな? みんなにお祝いしてもらうのも、うれしいことだよね。(5歳7か月の女の子のママ)

一本一本、丁寧に描かれたうさぎの毛並は、見るからにふわふわで、思わずなでてみたくなりますよね。作者のガース・ウイリアムズさんは、寝る前にぴったりのロングセラー『おやすみなさいフランシス』の絵も担当されています。独特の柔らかいタッチをご堪能ください。


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