毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、香山美子さんと柿本幸造さんの『どうぞのいす』。1981年に生まれ、小学校の教科書にも採用された名作絵本です。
ろばさんがいすに置いたどんぐりは、寝ている間に、はちみつになって、パンになって、それからくりになって…。どうしてそんなことになったのでしょう? それは、このいすが「どうぞのいす」だからです。
うさぎさんがつくった「どうぞのいす」。側を通りかかったろばさんが、「どうぞ」という言葉につられて一休み。その時、いすにどんぐりを置いたことから、素敵な連鎖が始まります。次に訪れた動物達は、「どうぞ」と言われて遠慮なく椅子の上のものを平らげ、次の人にまた「どうぞ」の気持ちでバトンをつなぎます。「どうぞ」が好意の連鎖を生んで、あたたかな世界をつくりだしていく、そんなメッセージが伝わります。
「でも からっぽにしてしまっては あとの ひとに おきのどく」。「どうぞ」ともてなされた後に、動物達が繰り返す一言が、実は教科書にまで採用された理由かもしれません。自分以外の人のことを想像して思いやること。子ども達に伝えたいけれど、言葉では伝えにくい心の機微を、わかりやすくシンプルに表しているのではないでしょうか。
メッセージ性はもちろんですが、やさしくあたたかな雰囲気の絵や、ろばさんのとぼけた性格も魅力のひとつ。このあたたかな世界の住人達にまた会いたい方は、続編の『ごろりん ごろん ころろろろ』をどうぞ。今度はうさぎさんがテーブルをつくりますよ!
<ミーテ会員さんのお声>
母から送られてきた1歳2か月の娘へのプレゼント。娘は「どうぞ」「ありがとう」ごっこが大好きで、必ず深々とお辞儀をする。『どうぞのいす』と題名を読むとうれしそうにお辞儀。
いただきますやご馳走様は必ず手を合わせる娘は、本を見ながら何度も手を合わせてうれしそう。ほのぼの、やさしい気持ちになれる本です。
(1歳2か月の女の子のママ)
「どうぞ」という言葉、もしかしたらやさしい子どもを育てる魔法の言葉かもしれませんね。
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