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教えて! 絵本作家さん(38)同じ本を何回も読みたがります…(絵本子育て相談室 Vol.466)

2023年11月24日

絵本や読み聞かせにまつわる皆さんからのご質問に、ミーテ編集部の現役子育てママライターが週替わりでお答えします!
スージー(元・子供服メーカー勤務)
乗り物大好き、子鉄くんのママ。思い出の絵本は『がたごとがたごと』と『いろいろバス』。
アッコ(元・情報紙編集部勤務)
外遊び命、元気印の男の子のママ。ファーストブックは『くっついた』と『やさいさん』。

 教えて! 絵本作家さん(38)同じ本を何回も読みたがります…

ミーテ会員の皆さんからの相談が多いテーマについて、絵本作家さんのインタビューから抜粋してお答えします。今回のテーマは、「同じ本を何回も読みたがります…」。『じごくのラーメンや』(絵・西村繁男)や『だいぶつさまのうんどうかい』(絵・中川学)などのユーモアあふれる作風でおなじみの絵本作家・苅田澄子さんのインタビューをのぞいてみましょう。

 「子どもは何度読んでも楽しい」気長に付き合って

「子どもがいつも同じ絵本をリクエストします」。「毎日同じ絵本を読んでも、子どもは大喜びで『もう1回!』」。これでいいのか、毎日毎日同じ絵本を何回も読んで飽きないのか、様々な絵本を読んで多くの物事に触れてほしい…と悩ましく思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

絵本作家の苅田澄子さんは、小学生の頃『大どろぼうホッツェンプロッツ』『小さい魔女』を、親があきれるくらい何回も何回も読み返したそう。その時の気持ちを「子どもは何度読んでも楽しいんですよ。またその世界に浸りたいと思うんです」と話しています。さらに驚いたことに、今でもお気に入りのページをつまみ読みして、「当時読んだ時の『おいしそう!』と思った気持ち」を思い出すんだそうですよ!

そもそも幼年期の子どもは、くり返しが大好きなもの。先がわかっているからこその安心感があるから、お話の面白さ、楽しさに身をゆだねられる、というところがあります。またくり返しの中で、お話の楽しさもさることながら、知らず知らずのうちに語彙や絵の中の情報などさまざまなことを吸収しています。子どもなりに納得がいけば、自然と次の絵本に進むもの。「子どもってそういうもの」と割り切って、気長に付き合うのがいいかなぁと思います。「お子さんが同じ本を何度読んでも怒らないでくださいね。でも、もし怒ったとしてもきっと読むと思いますけどね」と苅田さんもユーモアを交えて、子どもの気持ちを教えてくれています。

ただ、読み聞かせする側の大人がうんざりしてしまっては、楽しいはずの時間が台無し。大人が飽きない工夫としては、まず子どもの様子を観察することをおすすめします。同じところで「あ!」と指さす、年齢が上がってくるとお気に入りのページをめくる前から笑い出す、など同じ絵本を読んでいるからこそ、子どもの反応の変化に成長を感じやすいことでしょう。

子どもの「好き」を尊重しつつ、お気に入りの絵本のシリーズや、同じ作家さんの別の絵本を提案してみるのもいいかも。また、数冊読む場合は、子どもの好きな絵本の次は、ママ・パパが好きな絵本を読むなどの工夫をして、親子共に楽しい絵本タイムを過ごしてくださいね♪

苅田さんの絵本から、くり返し読みたい『たべもの あいうえおのえほん』をご紹介。親にとっては文字を学んでくれるうれしい絵本でありつつ、「おー なんて おおきな おむらいす おいしそう」などの文章がちょっぴりユーモラスで、リアルに描かれた食べ物もおいしそうなところが子どもにとっても魅力的な絵本ですよ。

▼苅田澄子さんのインタビューはこちら
「読み聞かせの時間は幸せな時間 大好きな絵本はぜひ手元に残して」

(回答:ミーテ編集部・アッコ)


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