今回のスペシャルインタビューにご登場いただくのは、ゆるかわフォトグラファーのきょん♪さんこと川野恭子さんです。人気ブログ「カメラ女子「きょん♪」の簡単ステキ写真術」で、初心者にもわかりやすくステキな写真を撮るコツを紹介されているきょん♪さん。今回は、写真を撮る楽しさ、子どもを上手に撮るコツのほか、手づくりアルバムの魅力についてもたっぷりとお話しいただきました。
神奈川県生まれ。ゆるかわフォトグラファー。一児の母。女性向け写真教室の講師としても活躍。ブログ「カメラ女子「きょん♪」の簡単ステキ写真術」には、簡単にステキな写真を撮れるコツが満載。初心者でもわかりやすい内容が好評となっている。著書に『はじめての「ゆるかわ写真」レッスン』(技術評論社)、『子ども写真の撮り方手帖』(毎日コミュニケーションズ)などがある。
カメラ女子「きょん♪」の簡単ステキ写真術 http://camera.na-watashi.com/
―― きょん♪さんが写真を始められたのは、10年ほど前のことだそうですね。どんなところに写真の魅力を感じますか?
駅のポスターを見て、私もあんな風に青い空を青く写したい!と思ったのが、写真を始めたきっかけです。その日のうちに衝動的に一眼レフを買って、そこからほぼ独学で撮り続けてきました。
何気ない日常も、撮り方次第でとても幸せな感じで残せる、というのが写真の魅力ですね。いい写真が撮れると、自分はこんな素敵な世界にいるんだ!とうれしくなって、もっともっと撮りたくなります。
―― お子さんが生まれて、写真の楽しさはさらに増しましたか?
私はもともと景色を撮る方が好きで、子どもの写真にはあまり興味がなかったんですね。娘が生まれてからは出かける機会も減ったので、写真から離れていた時期もありました。もちろん、家族の記録としての写真は撮っていたんですけどね。
でも娘が5歳ぐらいになった頃、デジタル一眼を買ったのをきっかけに、また始めてみることにしたんです。ただ撮るのではなく、娘をモデルさんのようにかわいく撮ってみたいな、と思うようになったんですよね。それからは、娘の写真を撮るのが一番好きになりました。
▲きょん♪さんの著書『子ども写真の撮り方手帖』(毎日コミュニケーションズ)。イメージ通りに撮るための5つの基本や、おうちやおそとで子どもを撮影する方法が満載の一冊。
―― 子どもは結構動き回るので、なかなか思うような写真が撮れないと感じている方も多いと思うのですが、コツを教えていただけますか?
親子のコミュニケーションを楽しみながら撮る、というのがコツですね。子どもが何かに夢中になっていたら、「何やってるの?」「おもしろいね」などと話しかけながら、さりげなく撮るんです。
いい表情を撮ろうと必死になって、ただ「ほら、こっち向いて!」と声をかけるのでは、熱中している子どもにとっては邪魔になってしまいますよね。だから、あくまでさりげなく。声をかけずに、夢中になっている表情を撮るのもオススメです。カメラ目線でない写真も、臨場感が伝わってきていいですよ。
―― ミーテは絵本を通じて親子の絆を深めることを応援しているサイトなのですが、きょんさんは写真を撮ることで、親子の絆が深まった実感はありますか?
ありますね。娘の写真を撮るようになって、よりしっかりと娘と向き合うようになったように感じています。娘のいい表情を写真に収めたいという思いがあるから、日常のふとした表情にもとても敏感になりました。撮られていることというのはつまり、見守られているということ。娘の方もそれを感じてくれているんじゃないかと思います。
子どもが大きくなってくると、運動会とか旅行とか、何かイベントがないと撮らなくなってしまうと思うんですが、何気ない日常こそかけがえのないものだったりするので、これからも日常的な姿を撮っていきたいなと思っています。
▲きょん♪さんの手づくりアルバム。マスキングテープなどを活用して、かわいく仕上げられています。みなさんも世界にひとつだけのアルバムづくり、挑戦してみませんか?
―― デジタルカメラで撮った写真は、プリントせずにパソコンの中に保存している方もいると思うのですが、きょん♪さんはプリントする派ですか?
そうですね。節目節目で、この写真だけは残しておきたいというものはプリントして、かわいいアルバムをつくったり、ポケットアルバムに入れたりしています。カラフルなマスキングテープで、家の白い壁に直接貼って飾ったりすることもありますよ。
―― 写真を撮ってプリントしても、アルバムをつくるところまで手が回らない!という方も多いと思います。きょん♪さんはアルバムカフェの講師などもされているそうですが、そんな方に何かアドバイスはありますか?
プリントした写真を全部アルバムにしようと思うと、ちょっと大変ですよね。なので、その中でも「これはよく撮れた」「残しておきたい」と思える写真をほんの数枚だけピックアップして、それをアルバムにするといいと思います。
アルバムに入れなかった写真は、私の場合、日付を記した箱に入れて整理しています。パラパラ……と気楽に見返せていいですよ。
アルバムづくりは義務感にかられてやるのではなく、楽しくやりたいものですよね。硬い表紙のアルバムであれば、そのまま棚などに置いて飾っておくこともできます。子どもと一緒につくるのも楽しいですよ。今は手でちぎって簡単に貼れるかわいいマスキングテープがたくさんあるので、はさみやのりを使うことなく、気軽に親子で楽しめると思います。
旅行のアルバムであれば、行った場所のチケットなども一緒に貼っておくのもオススメ。見返したとき、当時のことがより鮮明に思い出せると思います。
―― そうやってつくったアルバムは、見返すのがとても楽しいでしょうね。
数年前の写真を見返すのは、何よりの喜びですね。私自身とても懐かしい気持ちになりますし、「私こんなだったの?」なんて、娘も楽しんで見ています。
アルバムは、世界にひとつだけの絵本のようなもの。文章はないけれど、写真の中にはさまざまな思い出というストーリーが詰まっています。ページをめくる楽しさがあるというのも、絵本と同じですよね。親子一緒に見返しながら、撮ったときのことを思い出したり、写真を見て感じたことを話したり……そんな風にして楽しめるのが、アルバムの何よりの魅力ですね。
―― 最後に、子育て真っ最中のミーテ会員のみなさんに、メッセージをいただけますか。
今はインターネットにさまざまな情報があふれていて、これもしなきゃ、あれもしなきゃと義務感にかられている方がすごく多いですよね。でも、もっと気軽に自分のペースで子育てしていけたら、きっともっと幸せな気持ちで子どもと向き合えるんじゃないかなと思うんです。
絵本の読み聞かせもアルバムづくりも、「やらなきゃ!」と思って取り組むのではなく、もっと気軽に。子どもにとっても、多少ずぼらなところはあっても、いろんなことを楽しんでるママが魅力的だと思います。完璧を目指しすぎず、肩の力を抜いて毎日を楽しんでくださいね。
このインタビューは、「ミーテの親子きずなづくりプロジェクト」の主旨にご共感いただいた、富士フイルムイメージングシステムズ様とのコラボ企画として実現しました。