vol.9村山輝星さんの推し絵本
思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回はEテレ「えいごであそぼ with Orton」や、「24時間テレビ」でのトライアスロンへの挑戦が記憶に新しい、子役の村山輝星(むらやま・きらり)さんにご登場いただきます。
幼稚園の頃に読んで、とても印象に残っている絵本が『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』です。お母さんが、自分が病気でもうすぐ死んでしまうとわかって、子どもがひとりでも生きていけるように、ナスビを売らせるお話です。ナスビの鬼の夢とか、自分の夢にも出てきそうで本当に怖かったです。
でも、私は2歳の時にお父さんが病気になってしまったので、自分と経験がかぶるなとも思って。小学生になってからもくり返し読んでいて、読書感想画も描きました。お母さんが鬼みたいになったのは、心の中で子どもを思っているからだということを表したくて、鬼のようなお母さんにピンクのハートマークのTシャツを着せて描きました。
『はなちゃんのみそ汁』は、お母さんが亡くなってしまう前に子どもがひとりでおみそ汁をつくれるように教えるお話で、これも私の経験と似ていて大事にしている絵本のひとつです。私ははなちゃんみたいに毎朝おみそ汁をつくってはいないけれど、「自分の力で生きられる人になる」という考え方は大事にしたいなって思います。
私の将来の夢は絵本作家です。私は絵を描くのが好きなんですが、お母さんからは「独特な絵を描くね」と言われます。でも、『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』や『キャベツくん』など、一見「私でも描けそう…」と思ってしまうような絵を見て、私の絵でも私なりの味を伝えられるんじゃないかと思うようになりました。
またEテレの「えいごであそぼ with Orton」に出演した4年間、英語を学ぶのがとても楽しかったんです。他の言語も学んでみたいと思ったし、世界中の人に世界中の言語で私のお話を読み聞かせできたらと夢見るようになりました。
夢への第一歩として、YouTubeの公式チャンネルでは、自分でつくった絵本『今日も元気なきらりちゃん』を公開しています。キックベースで負けたけど、長距離走では勝てた…という実話をもとにしたお話です。『はなちゃんのみそ汁』などを読んで、自分の経験からお話をつくりたいと思っていて、日頃から感じたことを頭の片隅に置いています。
特に工夫したのは、走っている時のつらい表情を描いたシーン。「はあ、はあ、はあ」という息の音とともに、どんどん近づいて、汗も増えて、がんばっている感じを出しました。また、学校の課題で「アリと人間」というお話をつくったので、これもいつか絵本にしたいなぁと思っています。
私のお母さんはよく「『つ』がつくまではひざの上(9つまでという意味)」と、ひざの上でたくさん本を読んでくれました。私自身は小学校2年生くらいになると、ひざの上にはあまり乗らなくなってしまったので、子育て中の方には、お子さんが小さいうちに、ひざの上でたくさん読み聞かせをしてあげてほしいなと思います。
インタビューの中でご紹介した絵本『絵本 はなちゃんのみそ汁』をミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
村山 輝星(むらやま きらり)
2010年、東京都生まれ。劇団東俳Tプロジェクト所属。5歳より芸能活動を開始。Eテレ「えいごであそぼ with Orton」に4年間レギュラー出演したほか、2022年の「24時間テレビ45『愛は地球を救う』」でトライアスロンに挑戦するなど、バラエティ、舞台、CMなど活躍の場は多岐にわたる。