みんなの推し絵本!

vol.6 てぃ先生の推し絵本

vol.6

てぃ先生の推し絵本

てぃ先生の写真

vol.6てぃ先生の推し絵本

思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回はTwitterやYouTube、Eテレ「ハロー!ちびっこモンスター」でもおなじみの保育士・てぃ先生にご登場いただきます。

シンプルだからこそ、読み方で子どもの食いつきが違う

実は僕、大人になるまで本があまり好きではなかったんです。だから子どもの頃に絵本は読んでもらったはずですが、そんなに覚えていないんですよね。大人になって、自分の好きな事や知りたい事ができてから、本を読み始めました。

今では大好きな絵本『ぞうくんのさんぽ』も、読み始めたきっかけはそんなにいい理由じゃありません。保育園の中で絵本を読むので、活動と活動の合間のつなぎとしてさっと読みたい時もあるわけです。そんな時に、文章が短くて、内容がわかりやすくて盛り上がれる『ぞうくんのさんぽ』は、すごく重宝してよく読んでいました。

でも何回も読むうちに、文字が少なくて物語がシンプルだからこそ、いろいろ工夫ができると気が付きました。読み方など保育士としての技量によって、子どもたちの食いつきが全然違うんですよ。すごく面白いし、奥深いなと思いました。子どもたちはお話を何回も聞いているので、動物たちが池に落ちることを知っています。その上で、想像通り落ちたり、思ったよりためてためて落ちたり。たとえばそういう変化をつくってあげると、自然と笑い声が出てきます。

僕はこの絵本を、手遊びの代わりにいろんなタイミングで読んでいます。ご家庭でも、こういう変化のつけやすい絵本を一冊手元に置いておくと、ちょっと気分を変えたいなという時に役立つと思います。手遊びの様に覚える必要がないのも、絵本の便利なところですよね。

無理のない範囲で、絵本を一緒に楽しんで

僕が読む絵本を決める方法は2つあって、ひとつは子どもたちに「どっちがいい?」って聞くパターン。子どもたちは食べ物系を選ぶことが多くて、この間選んだのは『サンドイッチ サンドイッチ』でした。読んだ後のごっこ遊びがしたいから、読んでほしい部分もあると思います(笑)

もうひとつは「先生が読みたい絵本を読むね」というパターン。せなけいこさんの絵本が好きで、「めがねうさぎ」とか「いやだいやだのえほん」とか、シリーズで本当によく読みます。ほかに最近読んだのは、『だってだってのおばあさん』。今は、4・5歳の20人くらいのクラスを受け持っていますが、子どもによって反応や受け取り方は本当にそれぞれです。お話をシンプルに楽しむ子もいるし、「私も今度から〇〇をやってみる」と感受性高くメッセージを受け取る子もいます。

子どもたちの反応は、いつも面白いですよ。たとえば『ぜったいに おしちゃダメ?』は、「押しちゃダメ!」と言う子と「押して!」と言う子の両方がいます。その子の性格やその日の精神状態によっても変わります。最初の頃は何が起こるかわからないから「押しちゃダメ!」と言っていた子が、ある日を境に「押して!」と変わることもあります。言い方が難しいですけれど、勇気をもつことができたりとか、ちょっと冒険しようという気持ちになったりしているということかなと。子どもの精神的な成長を、絵本を通じて感じる瞬間ですね。

絵本って無理して読む必要ないと思うんです。もちろんいいものだと思っています。でも「今は余裕がなくて子どものことを思って読めない」って時に無理に読んでも、聞いている子どもだって楽しくないですよね。絵本を必要以上に神格化しないで、子育てに役立つツールのひとつとして、子どもと一緒に絵本を「読む」というより「楽しむ」。その方が、結果的にお子さんは絵本好きになるんじゃないかなって思っています。

ミーテ プレゼント情報

ぞうくんのさんぽ

インタビューの中でご紹介した絵本『ぞうくんのさんぽ』ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。

※ミーテ会員登録がまだの方は、登録後、ご応募ください。会員登録はこちら

プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

応募期間
9月27日(火)~10月10日(月)

プロフィール

てぃ先生

てぃ先生

14年目の現役保育士。名前の読み方は「T」先生。TwitterやYouTubeなどのSNS総フォロワー数は110万人以上。著作に『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)や、Twitter原作のコミック『てぃ先生』(KADOKAWA/メディアファクトリー)、『てぃ先生の子育て○×図鑑』(ダイヤモンド社)など多数。NHK Eテレ『ハロー!ちびっこモンスター』でレギュラーをつとめるなどメディア出演も多い。また全国で講演を行うほか、他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」として活動するなど、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。

▼てぃ先生 公式ホームページ
https://tsensei.com/


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