vol.46篠原かをりさんの推し絵本
思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本!」。今回は、動物作家・昆虫研究家で一児の母でもある篠原かをりさん。子どもの頃からの思い出の絵本や、お子さんへの読み聞かせの様子などについてお話を伺いました。
子どもの頃、母が好きで薦めてくれた絵本が『たいせつなきみ』です。木の小人の村ではみんな、ほめたい人には金ピカシール、けなしたい人にはだめじるしシールを貼ることに夢中になっています。だめじるしシールばかり貼られた小人は、外出するのもイヤになる毎日。そんなある日、どんなシールも貼られていない小人に出会って…というお話です。
最初に読んだときは少し難しいと感じて、なぜ母がよいと思ってるのか理解できませんでした。木の小人が互いに評価し合い、2種類のシールを貼っていくのですが、だめじるしが多いことを理由にさらにだめじるしを貼られるシーンなどが理解できず、「どういうこと?」と思ったのを覚えています。
20代後半になって読み返したときに、木の小人たちの営みを自分自身に置き換えて理解できるようになりました。「他者からの評価に依存すると幸せはとても不安定なものになるということだ。幸せは自分の中だけで完結しなければならない」と思い、人生の指針のひとつになりました。
絵本は子が読んでほしがったときには、基本的に読むようにしています。夫(QuizKnockの河村拓哉さん)も私も読みますが、子がどちらに読んでほしいという希望があるので、希望を出された方が読んでます。
『はらぺこあおむし』は、1歳3か月頃からどハマりして、何度も読んでほしがります。特にあおむしが食べ過ぎで泣くシーンが気に入っているようです。
そこで夫にはらぺこあおむし柄のトレーナーを買ってあげたところ、子が見るたびに「おー!!」と指をさし、新鮮によろこぶので可愛いです。何度もくり返し読みすぎて、夫婦ふたりとも暗唱できるようになりました。
皆さん、日々体力の限界に挑み続けるような生活だと思いますが、同時に10年後20年後に一瞬でもいいから戻りたいと願うような幸せな時間でもあると思います。お互い、楽しみながら、生き抜きましょう。
篠原 かをり(しのはら・かをり)
1995年、神奈川県生まれ。動物作家・昆虫研究家、慶應義塾大学SFC研究所上席所員。TBS系「世界ふしぎ発見!」ではミステリーハンターとして出演。著書に『恋する昆虫図鑑』(文藝春秋)、『歩くサナギ、うんちの繭』(大和書房)など。夫の河村拓哉さんとの共著に『雑学×雑談 勝負クイズ100』(文藝春秋)。