みんなの推し絵本！

vol.39 夢眠ねむさんの推し絵本

vol.39 夢眠ねむさんの推し絵本

思い出の一冊、大好きな一冊、渾身の一冊など、とっておきの“推し絵本”を紹介してもらうインタビュー「みんなの推し絵本！」。今回は、アイドルグループ「でんば組.inc」の元メンバーで、現在は予約制の書店「夢眠書店」の店主で一児の母の夢眠ねむさんにご登場いただきます。

息子のお気に入りは、夢眠書店で多めに仕入れる

一番最初に気に入った本が、『りんごりらっぱんつ』(作：Donchi、tone tone books)です。しりとりの絵本なのですが、6か月だった息子がこれで爆笑したんです。そこで店でいっぱい仕入れて、ポップに「息子イチ押し」と書いて、私がプロデュースしているキャラクター「たぬきゅん」とのコラボグッズもつくりました。息子が気に入った絵本は、店でも多めに仕入れています。1歳の目線で選んでらっしゃるので、大人の私が選ぶより何倍も説得力がありますよね(笑)。

今一番読んでほしがるのは『おばけのアイスクリームやさん』。名作ですが、昨年、代官山T-SITEで開催した「えほん博」で見かけるまで知りませんでした。一目ぼれして買ったら息子も気に入って、絵本を見せるとおばけを指して「ぼんちゃ、ぼんちゃ」と名前を呼びます。最近の絵本だと『たいこどんどん』も好きです。「ベンベン」という部分を読むたびに「エヘヘ」って笑うんです。

読み聞かせって、子どもの寝かしつけのためにするイメージがあるけれど、自分が暗い中で小説を読み漁って目を悪くしたので、どうしようか悩んでいました。そんな時、U-NEXT Kidsの番組「ねむるま えほん」に声をかけていただいたんです。寝かしつけ用の絵本の読み聞かせ動画で、絵本の選書と、実際の朗読も何点かしています。これでやっと寝かしつけの絵本の悩みが解決しました。今は寝室の壁にプロジェクターで映して、聞きながら一緒に寝落ちしています(笑)。

7歳の姪っ子がこの番組をすごく見てくれていて、お店でも「ねむちゃんのつけて」って頼まれます。中でも『たぷの里』がお気に入りでめちゃくちゃ笑うんですよね。番組を入り口にして絵本に興味をもったようで、お店にある絵本を読破する勢いで片っ端から読んでいます。

今日読む本を選べる子になったら、それでいい

本の中で中川さんが「読みたい本を読んできた」っておっしゃっていて、すごくいいなと思いました。面白そうだと思った本を読むって、シンプルに見えて、大人になってから学ぼうとするのはすごい大変なことだと思うんです。だから、今日読みたい絵本を自分で持ってこれる子になったら、子どもの時はそれだけで親ができることはしたんじゃないかと思いますね。

書店主をしていると、「子どもにいい本ってありますか？」とよく聞かれます。でもいい本ってその子によって違うので、何が好きかを聞いて何冊かおすすめして、最後は自分で選んでもらいます。ただこれを聞いてくるのは大人だけ。子どもはほしいものが決まっています。でも親に「それ図書館で何回も読んだ」「同じような本持ってる」って言われちゃう。私も親なので気持ちはわかりますが、何回も読んだ本がその子が本当に好きな本ですし、同じことを別の角度から書いた本を読むのは、専門家への入り口です。その子の好きが深くなるチャンスかもしれないので、本当に好きな本を買ってあげてほしいなと思います。

夢眠書店は喫茶も併設していて、先日ははらぺこめがねさんの『おにぎり ぱく！』の発売イベントをしました。この絵本はもともと雑誌コドモエ[kodomoe]の付録で、息子が気に入って、「もっかい！」と永遠に読まされて、ボロボロになってマスキングテープで補強して(笑)。この本のおかげでおにぎり自体も前より好きになったこともあって、サイン会では、喫茶担当の姉に握ってもらった大きな1合おにぎりを付けたんですよ。

---

無料会員登録後は、過去の「絵本子育て相談室」など、
様々な絵本情報が読み放題！
ぜひミーテにご登録ください♪